めまいは疲れが原因かも?|病院で異常がない人に知ってほしい原因と改善法

急にめまいがすると、

「倒れてしまうのではないか」
「何か脳や体の重大な病気が隠れているのではないか」

と不安になりますよね。

 

また、この記事を読まれている方の中には、すでに病院で検査を受け、「異常はありません」と言われたにもかかわらず、めまいが続いているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

実は、そのようなめまいは、疲れやストレスによって脳の機能が低下し、体のバランスをうまくコントロールできなくなったことで起きている可能性があります。

 

「異常はないと言われたけれど、めまいが続いて困っている」という方は、ぜひ最後までお読みください。

 

きっと、今のめまいを理解し、改善へ向かうためのヒントが見つかるはずです。

 

この記事では、

・疲れやストレスでめまいが起こる本当の原因

・病院へ行くべき危険なめまいの見分け方

・脳の働きを整える生活習慣

・自宅でできる眼球運動・三半規管・バランストレーニング

・セルフケアだけでは改善しない場合に考えられる原因

をお伝えしていきます。

 

疲れやストレスでめまいが起こる原因は「脳の機能低下」です

疲れやストレスが続くと、脳は普段以上に多くの情報を処理しようと働き続けます。

 

例えば、長時間パソコンで仕事をしたり、スマートフォンを見続けたり、次から次へと仕事をこなさなければならない状況では、脳は集中力を維持するために働き続けています。

 

最初のうちは問題なく処理できますが、その状態が何時間も続いたり、精神的なストレスまで重なると、脳は徐々に疲労し、情報を処理する力が低下していきます。

 

その一例が「目」です。

 

スマートフォンを見ているときは、視線は胸元や手元に向き、眼球はほとんど動かない状態が続きます。

 

パソコン作業でも、画面の限られた範囲を見続けるため、眼球運動は少なくなります。

 

本来、脳は眼球を動かす筋肉を細かくコントロールし、視線を移しても違和感なく景色を認識できるようにしています。

 

しかし、疲れやストレスによって脳の情報処理能力が低下すると、視線を動かしたときの情報処理がスムーズに行えず、違和感やふらつきを感じることがあります。

 

さらに、目は単独で働いているわけではありません。

 

目から入る視覚情報は、耳の奥にある三半規管や耳石器から伝わる平衡感覚、筋肉や関節から伝わる体の位置の情報と組み合わされ、脳で統合されています。

 

例えば、首を傾けても天井がどちらにあるのか分かることや、一点を見たまま首を左右に動かしても景色が大きくぶれないのは、この仕組みが正常に働いているためです。

 

しかし、疲れやストレスによって脳の働きが低下すると、これらの情報をうまく統合できなくなることがあります。

 

その結果、体のバランスを保つことが難しくなり、

・ふわふわする
・クラッとする
・足元が不安定に感じる

といっためまいが現れることがあるのです。

 

また、このバランスの調整には、三半規管や耳石器、小脳なども深く関わっています。

 

つまり、疲れによるめまいは、一つの器官だけが原因ではなく、脳が複数の感覚情報をうまく処理できなくなった結果として起こる可能性があると考えられます。

 

このようなめまいは早めに病院を受診しましょう

疲れやストレスが原因でめまいが起こることはありますが、すべてのめまいが疲れによるものではありません。

 

中には脳や耳の病気が隠れていることもあるため、まずは危険なめまいを見逃さないことが大切です。

 

次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

・突然、これまで経験したことのない強いめまいが起こった

・手足のしびれや力が入りにくい

・ろれつが回らない、言葉が出にくい

・激しい頭痛や意識がぼんやりする

・片方の耳が聞こえにくくなったり、急に聞こえなくなった

・激しい吐き気や嘔吐が続き、水分も取れない

 

このような症状がある場合は、脳卒中や内耳の病気などが関係している可能性があります。

 

特に、手足のしびれやろれつが回らない、激しい頭痛などを伴う場合は、脳の病気が疑われることもあるため、救急外来や脳神経外科を早めに受診してください。

 

一方で、

・耳鳴りや難聴を伴うめまい
・頭を動かしたときにぐるぐる回るめまい
・数日続く回転性めまい

などがある場合は、耳鼻咽喉科の受診がおすすめです。

 

どの診療科を受診すればよいか判断に迷う場合は、まずは内科を受診し、必要に応じて専門の診療科を紹介してもらうと安心だと思います。

 

また、「めまい」といっても、症状の特徴や持続時間、原因となる場所は病気によって異なります。

 

代表的な病気を比較すると、次のような違いがあります。

 

このように、同じめまいでも原因となる病気によって症状の特徴は異なります。

 

例えば、良性発作性頭位めまい症(BPPV)では、寝返りや起き上がるときなど頭の位置を変えた瞬間に、数十秒から1分ほどのぐるぐる回るめまいが起こることが特徴です。

 

一方、メニエール病では、数十分から数時間続く回転性めまいに加え、耳鳴りや難聴、耳が詰まったような感覚を伴うことがあります。

 

また、前庭神経炎では、突然激しい回転性めまいが起こり、数日から1週間ほど続くことがあります。吐き気や嘔吐を伴うこともありますが、難聴や耳鳴りはほとんどみられません。

 

もちろん、症状だけで病気を判断することはできません。

 

めまいが突然起こった場合や症状が強い場合、何度も繰り返す場合は、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。

 

そして、病院で検査を受けても異常が見つからず、

・疲れがたまるとめまいが出やすい
・ストレスが強い時に悪化する
・十分に休むと少し楽になる

このような特徴がある場合は、疲れやストレスによる脳の機能低下が関係している可能性も考えられます。

 

そのような場合は、耳だけでなく、脳の働きや体のバランス機能という視点から原因を考えていくことも改善への一つのヒントになります。

 

疲れによるめまいを改善するために見直したい生活習慣

ここまで何度かお伝えしてきましたが、疲れやストレスによるめまいは、脳の働きが低下し、体のバランスをうまくコントロールできなくなることで起こる可能性があります。

 

そのため、改善するためには、単に休むだけではなく、脳が本来の働きを取り戻しやすい環境を作ることが大切です。

 

まずは、脳に負担をかけ続けている生活習慣を見直し、これ以上脳の働きを低下させないことから始めてみましょう。

 

例えば、次のような項目に当てはまる場合は、できるところから改善してみてください。

 

睡眠不足や睡眠の質の低下が続いている

 

運動習慣がない方は軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす

 

毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、生活リズムを整える

 

コーヒーを1日に3杯(約400ml)以上(カフェイン)飲んでいたり、エナジードリンクを飲まれている方は少し減らして様子をみる

 

水分不足にならないよう、こまめに水を飲むようにする

 

デスクワークなど同じ姿勢が続く場合は、1~2時間に一度は立ち上がり、ストレッチや5〜10分程度の散歩を取り入れる

 

スマートフォンやパソコンを見る時間が長い場合は、定期的に遠くを見たり、目を動かして目を休ませる

 

夜間にスマートフォンを使う場合は、「ナイトシフト」や「ブルーライト軽減モード」を活用する

 

集中すると呼吸が浅くなりやすいため、意識的にゆっくり深呼吸をする

 

長時間イヤホンを使用する習慣がある場合は、使用時間を減らす

 

ノイズキャンセリング機能を長時間使い続けることは避ける

 

ストレスをため込まず、自分なりのリフレッシュ方法を見つける

 

一つひとつは小さなことに思えるかもしれません。

 

しかし、これらが積み重なることで脳への負担は大きくなり、めまいが改善しにくい状態を作ってしまうことがあります。

 

めまいが長く続いている方ほど、脳の機能が低下した状態や、過敏になった状態が習慣化していることも少なくありません。

 

だからこそ、一度にすべてを変えようとする必要はありません。

 

まずは「これなら変えていけそう」と思えることを一つ選び、少しずつ生活習慣を見直していきましょう。

 

また、生活習慣だけではなく、考え方の癖も脳に大きな影響を与えます。

 

「頑張りすぎてしまう」「完璧にするべき」「休むことに罪悪感がある」「やらなければならない」といった考え方が続くと、脳は常に緊張した状態になりやすくなります。

 

日々の習慣と考え方の両方を少しずつ見直していくことが、脳への負担を減らし、めまいの改善につながっていくはずです。

 

自宅でできる疲れによるめまいのセルフケア

ここまでお伝えしてきたように、疲れやストレスによるめまいは、脳の働きが低下し、目・耳・筋肉などから入る情報をうまくまとめられなくなることで起こる可能性があります。

 

そのため、生活習慣を見直すことに加えて、脳へ適度な刺激を与え、本来の働きを少しずつ取り戻していくことも大切です。

 

ここで紹介するセルフケアは、脳へ負担をかけ過ぎないように、刺激の少ないものから順番に紹介しています。

 

これらは、めまいを我慢しながら無理に行うためのトレーニングではありません。

 

違和感が出る方向へ無理のない範囲で刺激を加え、深呼吸で体の緊張を緩めながら、脳がさまざまな感覚を処理する働きを少しずつ整えていくことが目的です。

 

めまいが強い日は無理をせず、症状が落ち着いているときに、できる範囲で行ってみてください。

 

また、セルフケアによってめまいや吐き気、ふらつきなどが強くなる場合は、すぐに中止して休むようにしましょう。

 

① 近くと遠くを交互に見る(ピント合わせ体操)

なぜ行うの?

スマートフォンやパソコンを見る時間が長いと、目は近くばかりを見る状態が続きます。

 

すると、目のピントを調節する筋肉や神経が疲れやすくなり、視覚情報を処理している脳にも負担がかかります。

 

近くと遠くを交互に見ることで、目のピントを調節する働きを促し、脳が視覚情報を処理する機能をサポートすることが期待できます。

 

やり方

1、指を顔から30cmほど前に出します。

2、指を3秒間見ます。

3、次に3〜5m以上先にある物を3秒間見ます。

4、再び手前の指を見ます。

これを10〜20回繰り返しましょう。

 

この時は、呼吸を止めずに、深呼吸をしながら行います。

 

状態に合わせて10〜20回行ったら、最後にもう一度深呼吸をします。

 

そして、息を吐ききったタイミングで、おへその下にある丹田へ手を当て、その手の上を軽くポンと叩いて刺激を加えましょう。

 

当院では、セルフケアによって違和感が出た際に、深呼吸と合わせて丹田(おへその少し下)へ軽く刺激を入れる方法をお伝えしています。

 

最初に目や頭を動かして加える刺激を「一次刺激」、その後に行う深呼吸と丹田への刺激を「二次刺激」と考えています。

 

一次刺激で、どの動きで神経の働きが不安定になるのかを脳へ伝え、二次刺激によって体をリラックスしやすい状態へ導きます。

 

そのうえでもう一度同じ動きを行い、過敏になっている神経の反応を落ち着かせ、働きを切り替えることを目的としています。

 

この後に紹介するセルフケアでも、違和感やふらつきなどの反応があった場合は、同じように深呼吸と丹田への刺激をセットに行うようにしてみてください。

 

② 目のぐるぐる体操(眼球運動)

なぜ行うの?

目を動かす働きは、眼球だけではなく、脳幹や小脳とも深く関係しています。

 

眼球運動を行うことで、目をスムーズに動かす機能だけでなく、視覚と体のバランスを調整する脳への刺激にもつながります。

 

やり方

1、顔は正面に向けたまま、頭を動かさずに目だけを動かします。

2、目で大きな円を描くように、ゆっくりと一周させます。

3、目を一周させる途中で、目を向ける方向によって違和感や動かしにくさ、見えにくさ、やりにくさなどがないか確認します。

4、違和感などを感じた場合は、無理のない範囲で、その方向に視線を向けたまま5秒間止めます。

5、視線を正面へ戻して、ゆっくりと深呼吸をします。

6、息を吐ききったタイミングで、おへその下にある丹田へ手を当て、その手の上を軽くポンと叩きます。

7、もう一度、先ほど違和感を感じた方向へ目を向け、反応に変化があるか確認します。

8、違和感が残っている場合は、無理のない範囲で4〜6を繰り返します。

9、違和感が軽くなったら、再び目を一周させ、ほかの方向にも反応がないか確認します。

 

一方向が終わったら、今度は反対方向にも目を動かします。

 

先ほど時計回りに動かした場合は、次は反時計回りに動かして、同じように確認してみましょう。

 

目を動かした際に痛みが出る場合や、めまい、吐き気などが強くなる場合は、無理に続けず中止してください。

 

③ 左右を見る運動

なぜ行うの?

めまいがある方は、視線を素早く切り替えることが苦手になっている場合があります。この運動は、眼球運動をスムーズにし、バランスを保つ力を高めることを目的としています。

 

やり方

両腕を肩の高さまで上げ、肩幅より少し広めに開きます。

左右の親指を立て、頭は動かさず、目だけで左右の親指の爪を交互に見ます。

できるだけ素早く視線を切り替えてみます。

このときにめまいのような感覚、つかれ、吐き気を感じる場合は神経の働きがうまく行えてない可能性があります。

そしたら今度は素早く行うのではなく、反応が強くなり過ぎない強度で30秒〜1分程度行いましょう。

 

そして、30秒〜1分ほど行ったら最後に深呼吸をして丹田に刺激をします。

 

もし、めまいや吐き気が強くなった場合は、一度休憩してください。

 

④ 三半規管を刺激する頭の運動

なぜ行うの?

耳の奥には「前庭」と呼ばれる、体の傾きや動きを感じ取る器官があります。

 

その中には、水平半規管・前半規管・後半規管という3つの半規管があり、それぞれが異なる方向への頭の回転を感知しています。

 

三半規管で感じ取った情報は、小脳や脳幹などへ送られ、目や首、筋肉から入る情報と組み合わされることで、体のバランスが保たれています。

 

しかし、疲れやストレスによって脳の働きが低下すると、これらの情報をうまく処理できなくなり、頭を動かした際にめまいやふらつきが起こりやすくなることがあります。

 

そこで、頭をさまざまな方向へゆっくり動かし、三半規管へ穏やかな刺激を加えることで、脳がバランス情報を処理する働きをサポートしていきます。

 

やり方

椅子に座り、背筋を軽く伸ばした状態で行います。

 

転倒しないように、必要に応じて背もたれのある椅子や、壁の近くで行いましょう。

 

頭は勢いよく動かさず、ゆっくりと無理のない範囲で動かしてください。

 

④-1. 左右に頭を向ける(水平半規管への刺激)

水平半規管は、首を左右へ回すような頭の動きで主に刺激されます。

正面の一点から目を離さないようにしながら頭を正面に向けた状態から、

ゆっくり右を向く
正面へ戻す

ゆっくり左を向く
正面へ戻す

という順番で動かし、左右によって反応に違いがないか確認します。

 

頭を動かした際に、

・違和感がある
・動かしにくい
・くらっとする
・めまいが起こりそうな感じがする

といった反応がある場合は、その方向から入るバランス情報を脳がうまく処理できていない可能性があります。

 

反応が見られた場合は、その方向へ「ゆっくり向けて、正面へ戻す」という動きを、無理のない範囲で行います。

 

正面へ戻ったら深呼吸をし、息を吐ききったタイミングで丹田へ軽く刺激を加えましょう。

 

その後、もう一度同じ方向へ頭を動かし、先ほど感じた違和感に変化があるか確認します。

 

反応が軽くなっている場合は、無理のない範囲で繰り返してみてください。

 

ただし、めまいや吐き気が出てきた場合や、違和感がだんだん強くなってきた場合は、無理に続けず中止してください。

 

④-2. 「うなずく」ように斜め前へ頭を動かす(前半規管への刺激)

前半規管は、頭を斜め前へ動かすような動きで主に刺激されます。

正面の一点から目を離さないようにしながら正面を向いた状態から

左斜め前を見るように軽くうなずく

正面へ戻す

正面の一点から目を離さないようにしながら正面を向いた状態から

右斜め前を見るように軽くうなずく

正面へ戻す

という順番で、ゆっくりと頭を動かします。

 

左右の動きを行い、違和感や動かしにくさ、くらっとする感じ、めまいが起こりそうな感覚などがないか確認しましょう。

 

反応が見られた場合は、その方向へ「ゆっくり動かして、正面へ戻す」という動きを行います。

 

正面へ戻ったら深呼吸をし、息を吐ききったタイミングで丹田へ軽く刺激を加えてください。

 

その後、もう一度同じ方向へ頭を動かし、反応が軽くなっているか確認します。

 

違和感が軽くなっている場合は、体調を確認しながら同じ流れを繰り返してみましょう。

 

ただし、めまいやふらつきが強くなる場合は、無理に続けず中止してください。

 

④-3. 「空を見る」ように斜め後ろへ頭を動かす(後半規管への刺激)

後半規管は、頭を斜め後ろへ動かすような動きで主に刺激されます。

 

正面を向いた状態から、

目線は正面の一点から離さないようにして

頭だけを左斜め上へ動かす

正面へ戻す

目線は正面の一点から離さないようにして

頭だけを右斜め上へ動かす

正面へ戻す

という順番で動かしてみましょう。

 

頭を動かした際に、違和感や動かしにくさ、くらっとする感じ、めまいが起こりそうな嫌な感覚などがないか確認します。

 

反応が見られた場合は、その方向へ「ゆっくり動かして、正面へ戻す」という動きを行います。

 

正面へ戻ったら深呼吸をし、息を吐ききったタイミングで丹田へ軽く刺激を加えましょう。

 

その後、もう一度同じ方向へ頭を動かし、先ほど感じた反応に変化があるか確認します。

 

これらの運動は、一つの動きによって一つの半規管だけを完全に分けて刺激するものではありません。

 

それぞれの動きで主に刺激される半規管を意識しながら、頭を3つの方向へ動かすことで、前庭全体へバランスよく刺激を加え、小脳や脳幹が情報を処理する働きをリハビリすることが目的です。

 

症状が強くなる場合は無理をせず、一度休憩し、体調が落ち着いてから無理のない範囲で行うようにしてください。

 

⑤ バランストレーニング

なぜ行うの?

小脳は、目・耳・足裏などから入る情報をまとめ、体のバランスを調整しています。

 

例えば、目を閉じた状態では、周囲の景色や床との位置関係を確認できなくなるため、耳の奥にある前庭や、足裏・筋肉・関節から伝わる感覚を使って姿勢を保つ必要があります。

 

バランストレーニングを行うことで、小脳や前庭へ適度な刺激が入り、複数の感覚を使いながら体のバランスを調整する働きを高めることが期待できます。

 

やり方

両足をピッタリそろえて立ちます。

転倒しないように、すぐ手をつける壁や机の近くで行いましょう。

 

最初から目を閉じて行うのではなく、まずは目を開けた状態から始めてください。

 

足をそろえた状態で、目を開けたまま1分間立ちます。

 

問題なく立てる方は、すぐに壁や机へ手をつける状態を確保したうえで、目を閉じて行います。

 

目を閉じた時にふらつきを感じる場合は、バランスを調整する神経がうまく働いていないサインと考え、その状態を一次刺激として脳へ入力します。

 

そしてなるべく目を閉じた状態で立つことを続けます。このときに深呼吸も同時に行うようにしましょう。

 

もしめまい、吐き気などが強くなった場合は、すぐに目を開けて壁や机につかまったり、座ったりして、一度中止してください。

 

無理なく行えたら、最後にもう一度深呼吸をし、息を吐ききったタイミングで丹田へ軽く刺激を加えましょう。

 

その後、再び同じ姿勢で立ち、先ほど感じたふらつきや不安定さに変化があるか確認します。

 

足をそろえた状態で反応が見られなかった方、問題なく立てるようになった方は、次のように少しずつ難易度を上げていきます。

 

片方の足のつま先と、反対側の足のかかとをつけるようにして、継ぎ足で立ちます。

 

継ぎ足の状態で、目を開けたまま1分間立ちます。

 

目を開けた状態で安定して立てる方は、壁や机の近くで目を閉じて行います。

 

ここで、めまいやふらつき、症状ににた感覚を覚える方は、働きがうまくいってないサインになりますので、同様に深呼吸をしながら続けます。

 

そして1分立つことができたら、最後に深呼吸と丹田への刺激を行います。

 

さらに余裕がある方、反応がない方は、片脚立ちを左右それぞれ行います。

 

片足立ちを行ったときに、左右どちらかバランスが取りにくい方を確認します。

 

ふらつきが右足を軸足にしたときに、多く感じる場合は、右側の働きがうまくいっていないサインとみます。

 

そしたら、右足を軸にして、なるべく1分間片足立ちをキープするようにします。

 

もし、継ぎ足や片脚立ちをしている時にバランスを崩した場合は、一度行うのをやめて、両足でまっすぐ立ちます。

 

そして、深呼吸をして息を吐ききったタイミングで丹田へ軽く刺激を加え、体が落ち着いてから再開しましょう。

 

大切なのは、転倒しない安全な環境で、体の反応を確認しながら刺激を加え、脳がさまざまな感覚を使って姿勢を調整する経験を繰り返すことです。

 

⑥ 複数の感覚を同時に使う応用リハビリ

ここまで紹介したセルフケアを行っても違和感が少なくなり、安定してできるようになった方は、複数の運動を組み合わせて行ってみましょう。

 

日常生活では、目や耳、首、足裏などのうち、一つの感覚だけを使って体のバランスを保っているわけではありません。

 

例えば、歩きながら周囲を見る時には、耳の奥にある前庭で頭の動きを感じ取り、目で景色を確認し、首や足の筋肉・関節から現在の体の位置を感じ取っています。

 

小脳は、これらの情報を同時にまとめながら、姿勢や体の動きを細かく調整しています。

 

そのため、基本のセルフケアを組み合わせて複数の感覚を同時に使うことで、より日常生活に近い状態で、脳が体のバランスを調整する働きをリハビリできます。

 

やり方

まずは、転倒しないように壁や机の近くで行ってください。

 

例えば、次のような組み合わせがあります。

 

・足をそろえて立ったまま、正面の一点から目を離さないようにしながら頭をゆっくり左右へ動かす

・継ぎ足で立ったまま、正面の一点から目を離さないようにしながら頭をゆっくり左右へ動かす

・継ぎ足で立ったまま、正面の一点から目を離さないようにしながら斜め前へ軽くうなずく動きを行う

・継ぎ足で立ったまま、正面の一点から目を離さないようにしながら斜め上の空を見るように頭を動かす

・片脚立ちをしながら、正面の一点から目を離さないようにしながら頭をゆっくり左右へ動かす

 

一つの動きを1〜3回程度試してみましょう。

 

その際に、左右差や動かしにくさ、くらっとする感じ、ふらつき、めまいが起こりそうな感覚などがないか確認します。

 

反応が見られた場合は、その動きをゆっくり行い、正面へ戻します。

 

その後、安定した姿勢に戻って深呼吸をし、息を吐ききったタイミングで丹田へ軽く刺激を加えましょう。

 

そしたらもう一度同じ動きを行い、先ほど感じた反応に変化があるか確認します。

 

ここで大切なのは、めまいを我慢しながら続けたりすることではありません。

 

まいやふらつきが軽く出る範囲で刺激を加え、その後に深呼吸や丹田への刺激で体を落ち着かせながら、脳が複数の感覚をまとめる経験を繰り返すことが目的です。

 

反応が強い場合は、一つ前の簡単なリハビリへ戻してください。

 

例えば、継ぎ足で頭を動かすとふらつきが強くなる場合は、足をそろえた状態で行うか、椅子に座って頭の運動だけを行いましょう。

 

その日の体調によっても反応は変わるため、昨日できた運動が今日は難しいと感じることもあります。

 

そのような日は無理に難易度を上げず、刺激の少ない運動へ戻すことが大切です。

 

セルフケアは毎日少しずつ続けることが大切です

これらのセルフケアは、一度行っただけですぐにめまいが改善するものではありません。

 

脳には、新しい刺激を繰り返し受けることで、神経のつながりや働きを少しずつ変化させる「神経可塑性」という性質があります。

 

そのため、一度に長時間行うよりも、無理のない範囲で少しずつ継続することが大切です。

 

ただし、すべてのセルフケアを毎日行う必要はありません。

 

まずは、比較的行いやすいものを一つ選び、体調を確認しながら始めてみましょう。

 

慣れてきたら、少しずつ運動の種類や回数を増やしていきます。

 

「昨日より少し安定して立てた」

「頭を動かした時の違和感が軽くなった」

「今日はふらつきを感じる時間が短かった」

 

このような小さな変化の積み重ねが、脳が新しいバランスの取り方を学び直しているサインかもしれません。

 

ただし、セルフケアを続けてもめまいが改善しない場合や、以前より症状が強くなっている場合は、自己判断で続けるのではなく、医療機関へ相談することも大切です。

 

焦らず、自分の体調に合わせながら続けていきましょう。

 

まとめ

疲れによるめまいは、単に疲労が溜まっているだけではなく、疲れやストレスによって脳の働きが低下し、目・三半規管・足裏などから入る情報をうまくまとめられなくなることで起こる場合があります。

 

そのため、今回ご紹介した眼球運動や三半規管への刺激、バランストレーニングなどを継続することで、脳や神経が新しい反応を学び直し、めまいやふらつきの軽減が期待できます。

 

しかし、症状が長く続いている場合や、一時的に良くなってもすぐに戻ってしまう場合は、三半規管やバランス機能だけに原因があるとは限りません。

 

私たちは、眼球運動や姿勢をコントロールする神経だけでなく、症状を引き起こすきっかけとなるのは自律神経の働きをはじめ、脳の記憶、ストレスや不安などの心理的な要因も関係していると考えています。

 

そのため当院では、一人ひとり異なる神経の働きや脳の状態を詳しく確認し、その方に合わせた刺激を組み合わせながら、脳全体の働きを整える施術を行っています。

 

「病院では異常がないと言われたのに、めまいがなかなか改善しない」「疲れるとすぐにふらついてしまう」「セルフケアを続けても変化を感じられない」という方は、一人で悩まずに、私たちへご相談ください。

 

あなたのめまいの原因を脳や神経の働きという視点から丁寧に確認し、一日でも早く安心して日常生活を送れるよう全力でサポートいたします。

 

あなたのお悩みが一日も早く解消され、楽しい人生をおくれるようになることを願っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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