イップスとジストニア、脳の誤作動が原因かも?症状・原因・改善ポイントを解説

下記の記事を動画でご視聴したい方はYouTubeをご覧ください。

 

スポーツの舞台や音楽の演奏、本当に大事な場面で、

「思うように体が動かない」

「手が勝手に動いてしまう」

そんな経験が繰り返され、思うようにできなくなっていませんか?

 

あの瞬間の悔しさ、やるせなさ、そして「もう自分はダメなんじゃないか」という不安を感じている方に向けて、この記事を作成しました。

もしかすると、それは単なる緊張や疲れではなく、ジストニアやイップスという神経系の問題かもしれません。

 

しかし、ここで一つ知っておいてほしい事実があります。

私たちの脳には「神経可塑性」という驚くべき力があり、諦めない限り、脳は新しい神経回路を作り出して動きを取り戻すことができるということです。

つまり、今の状態は「固定」ではなく、変えることが可能なのです。

 

ジストニアもイップスも、脳と筋肉の間で起きた誤作動が原因で、動きが制御できなくなります。

要因は人それぞれ――メンタル面が大きく影響する場合もあれば、長期的な肉体的緊張が主な原因になる場合もあります。

 

この記事では、症状の違いや原因、そして脳の神経回路を再編成していくための具体的な方法まで、希望を持って取り組める情報をお伝えしていきます。

イップスとジストニアの症状の違い

イップスの症状

イップスでは、特にスポーツや緊張感のある場面で、

・体が固る

・動かなくなる

・感覚がなくなる

といった症状が現れます。

 

これらの症状は、精神的なプレッシャーや不安が引き金となり、脳が筋肉に正常な指令を送れなくなることによって引き起こされます。

 

例えば、

・野球のピッチャーが投球時にリリースポイントがわからなくなることで、ボールを引っ掛けてしまったり、すっぽ抜けてしまったりする

 

・ゴルフでは、トップからクラブが下ろせなくなる

 

・テニスではラケットの位置がわからない、ホームランのような打球を打ってしまう

 

などの現象が典型的で、普段はできる動作が急にできなくなります。

 

ジストニアの症状

一方でジストニアは、筋肉が過剰に収縮してしまい、力が入りすぎて動きが制御できなくなる症状が特徴です。

 

例えば、

・痙性斜頸(けいせいしゃけい)という症状では、首が傾き、正面を向くことが難しくなり、首が揺れる

 

・眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の場合、目をぎゅっとつぶってしまう

 

という状態が発生します。

 

他のジストニアの症状も、筋肉の収縮が意図しないかたちで発生し、体の動きを制御できなくなります。

 

このようにイップスとジストニアでは、症状の現れ方(感じ方)に違いがあります。

 

ですが、ジストニアの中でも局所性ジストニアと言われるお悩みは、イップスと共通するような症状の現れ方をします。

 

たとえば、

・音楽家のフォーカルジストニアは、演奏中に特定の指や手に異常な動きが現れ、演奏に支障をきたす

・書痙は「書く」という行為をした時に力が入りすぎる

などの症状が現れるが、その行為以外の日常生活では特に問題ないことが多いです。

 

このように普段は特に問題がなくても、特定の動作や状況下で症状が強く現れるケースもあります。

 

同じ動作を繰り返す楽器奏者、書記をするお仕事、スポーツ選手などでも発症するため、「職業的(性)ジストニア」と呼ばれることもあります。

 

ジストニアとイップスの症状では、感じ方に違いはあれど、共通している点もあるので、厳密な違いがあるかと言われると、そこまで違いはないものだと私は思っています。

 

症状以外で違う点

他に違う点があるとすれば、ジストニアの発症には、遺伝的要因もあります。

 

ジストニアは西洋医学的な「病気」として位置付けられていますが、イップスは病気としてみらていないため、診断されないという違いがあります。

 

ジストニアとイップスの原因

結論からお伝えすると、イップスとジストニアはどちらも脳の誤作動による問題です。

脳が筋肉に正しい指示を送れなくなり、特定の行動や状況下で症状が現れるという点で共通しています。

 

この誤作動は、脳内の神経ネットワークの不具合によって引き起こされ、筋肉に誤った命令が送られることで、思うように動けなくなります。

 

具体的には、ジストニアの発症が遺伝的要因や脳の構造的な問題によるものでない場合、脳の運動を制御する部分(基底核など)に誤作動が生じ、筋肉に対する信号が誤って伝達されます。

 

この点はイップスと非常に似ており、どちらも脳が体の動きに対して誤った指示を出すことで発症します。

 

しかし、この誤作動の原因に関しては、背景に違いがあります。

 

イップスとジストニアの両方で、精神的な要因や過去の経験が影響を及ぼすことがありますが、影響を与える要素やその割合は異なります。

 

イップスの場合:精神的なプレッシャーと緊張感

イップスは、特に精神的なプレッシャーや過去の失敗が誤作動を引き起こす主要な要因です。

 

試合や本番でのミスや失敗を経験したことがある選手にとって、その後同じような状況でプレッシャーを感じることは、脳に誤った信号を送る引き金となります。

 

・コーチや監督が見ている中でのプレー

・大事な試合の場面

・大勢に見られているシチュエーション

・過去に失敗した経験

が繰り返されることで、緊張が強まり、力みが生じます。

 

この力みが本来の筋肉の使い方を妨げ、体が思うように動かなくなります。

 

このように、イップスはメンタル面の影響が非常に強い場合が多く、特に「緊張」が症状を引き起こしやすいです。

 

緊張が高まることで、脳が筋肉に正確な指示を送ることができなくなり、体が硬直してしまう現象が見られます。

 

そしてこれらのことが続いてしまうことで、良いイメージができなくなり、悪いイメージばかりが頭の中に出てしまい、思い通りにいかない負のループに陥ってしまいます。

 

ジストニアの場合:日常的なストレスと肉体的緊張

ジストニアでは、イップスと同じように精神的なプレッシャーや過去の失敗が影響を与えることもありますが、日常的なストレスや肉体的な緊張が大きな原因となることも多いです。

 

特に、長期間にわたるストレスや複数のストレスが積み重なることで、脳内での誤作動が起こりやすくなります。

 

職場や家庭、趣味の場における人間関係、無理な姿勢や過剰な運動(練習)が続くことで、体に不自然な緊張が生じ、それが脳の運動制御機能に影響を与えます。

 

イップスやジストニアの初期症状について

イップスやジストニアの初期症状は、一見すると普段の疲労からきている違和感や調子の悪さとしか感じないことがほとんどです。

 

そのため、今まで何も感じずにできていた動作に、引っかかりを感じる、力加減がうまくいかない、すぐに疲れる、ぎこちない感覚を覚えていき、次第にその頻度が増えて固定化されていきます。

 

そして気がつくと毎回、その違和感に意識が向いしてまい、意識的にコントロールしなきゃという思考が働いてきます。

 

なので、どちらも違和感を感じたときからケアしていくことが大切です。

 

それぞれの乗り越え方

イップスやジストニアを改善していくためには、ただ筋肉のこわばりを取るだけでは不十分です。

 

稀に肉体の疲労から、イップスやジストニアのような状態になっている方もいらっしゃいますが、ある程度お悩みが続いている方は、疲労だけではないことが考えれます。

 

脳が筋肉を正しく制御できる状態を取り戻す必要があり、そのためには「脳の再学習」を促す多角的なアプローチが効果的です。

 

脳には**「神経可塑性」**と呼ばれる、神経回路を作り変えたり、強化したりできる柔軟な性質があります。

 

これは、ケガや誤作動で機能が低下した部分でも、新しい神経経路を作ることで動きや感覚を回復できるという脳の力です。

 

イップスやジストニアのように、脳と筋肉の間で誤った信号がやり取りされている場合でも、

・正しい動作を繰り返す

・感覚入力を増やす

・緊張を和らげる

といったアプローチを続けることで、脳が新しい正しい動きのプログラムを学び直すことが可能です。

 

つまり、改善の土台には「脳の神経可塑性」があり、今の状態は固定ではなく変えられるということです。

 

ここでは、その具体的な方法をご紹介します。

 

1. 脳と筋肉の神経回路を再編成する

ジストニアやイップスは、脳の運動プログラムが誤作動し、筋肉に間違った信号が送られている状態です。

 

これを修正するには、脳に正しい動きの情報を繰り返し与えて学習し直す必要があります。

反復練習の質を変える

力任せに同じ動きを繰り返すのではなく、負担を減らし、ゆっくり・正確なフォームで動かすようにしましょう。

 

こうすることで、脳が「どの筋肉をどう使うか」という正しい順序を再び覚えやすくなります。

 

ここで注意していただきたいことは、全てを意識的に行うのではなく、体本来の感覚に頼って行うことです。

 

ゆっくり、正確なフォームというのは意識していいのですが、細かい動作は意識せず感覚的な部分を大切にして取り組んでみてください。

 

2. 感覚の再教育

鏡や動画、触覚刺激を使って、視覚や触覚からの情報を強化し、脳に正しい姿勢や動作を再認識させます。

 

鏡を使う:鏡越しに正しいフォームを見ながら動くことで、脳が視覚的に「これが正しい動きだ」と補正しやすくなります。

 

動画を使う:自分の動作を撮影し、症状が出た時と出ない時を比較するのも良いです。修正点が明確になったり気づきが得られるきっかけになります。

 

なぜ効果的なのか
脳は動作を作る際、視覚や触覚の情報を統合しています。感覚入力を強化することで、誤作動した動作パターンを修正しやすくなります。

 

3. 肉体的な緊張を解く

慢性的な筋肉のこわばりは、脳の誤作動を強化します。

 

まずは、過剰な力みを減らし、自然な動きを取り戻せる土台を作ります。

 

呼吸法:腹式呼吸で副交感神経を優位にし、全身をリラックスさせることを意識的に行います。

 

ストレッチ:症状のある部位を中心に、全身の筋肉や関節をやさしくほぐし、動作の制限を減らします。

 

姿勢の見直し:偏った姿勢やフォームは特定部位に負担をかけるため、鏡や動画でチェックしながら修正します。

 

なぜ効果的なのか
筋肉が緊張すると、脳はその部位を守ろうとしてさらに固めます。緊張を緩めることで、脳が「もう守る必要はない」と判断し、正しい指令を出しやすくなります。

 

4. メンタル面のリセット

「また症状が出るのでは」という不安は、脳の誤作動を強めます。

 

不安や過去の失敗イメージを減らし、脳に安心感を与えることが重要です。

 

成功体験の積み重ね:小さな成功を記録し、脳に「できる」というポジティブな情報を意識的に増やし、ネガティブな情報に捉われないようにます。

 

もしネガティブな方へ引っ張られるのであれば、切り替えられるようなアファメーションやアクションを行うのも良いと思います。

 

アファメーションとは?

アファメーション(Affirmation)は、自分に向けた肯定的な言葉や文章を繰り返し唱えることで、思考や行動、感情にポジティブな変化を促すメンタルトレーニングの一種です。

例えば、

「私は落ち着いてプレーできる」
「私は自信を持って人前で話せる」

といった言葉を繰り返し声に出したり、心の中で唱えることで、脳にポジティブな自己イメージを刷り込んでいきます。

特にスポーツ選手や経営者、俳優などの分野では、試合や本番前のメンタル強化の一環として広く使われています。

アファメーションは心理学や脳科学の研究で一定の効果が示されています。

 

主な根拠は以下の通りです。

1. 自己肯定感とストレス緩和
米国カーネギーメロン大学の研究(Creswell et al., 2013)では、自己肯定を促すアファメーションがストレス下での問題解決能力を高めることが報告されています。

 

2. 脳の活動変化
2016年に発表されたfMRI(機能的磁気共鳴画像法)の研究(Falk et al., 2015)では、アファメーションを行うことで脳の報酬系(腹内側前頭前皮質)が活性化し、ポジティブな行動変化を促すことが確認されています。

 

3. 神経可塑性(Neuroplasticity)の活用
繰り返しの言葉やイメージは、脳のシナプス結合を強化し、新しい行動パターンを形成します。これは、リハビリや技能習得にも利用される「神経可塑性」の原理と同じです。

 

イメージトレーニング:理想の動作を頭の中で繰り返し再生します。悪いイメージが出てしまう場合は、うまくできている動画を見て自分に重ねると効果的です。

 

マインドフルネス:今この瞬間の動きや呼吸に意識を向け、過去の失敗や未来の不安から気持ちを切り離します。

 

例えば、呼吸のリズムや足裏の感覚、指先の動きなど、目の前で起きている感覚だけに集中すると、余計な緊張や雑念が減り、脳が動作をスムーズに制御しやすくなります。

記事まとめ

1. イップスとジストニアの共通点と違い

イップスとジストニアはいずれも「脳の誤作動」によって筋肉の制御が乱れ、特定の動作がうまくできなくなる症状です。

 

・イップスは主に精神的プレッシャーや緊張場面で、体が固まる・動かなくなる・感覚がなくなるなどが起こります。

 

・ジストニアは筋肉の過剰収縮が特徴で、姿勢や日常的ストレス、反復動作の癖なども関与します。

 

両者は症状の現れ方に違いがありますが、特定動作でのみ発症する「局所性ジストニア」など共通点も多く、厳密に線引きするのは難しい場合があります。

2. 発症の背景と初期症状の重要性

イップスは試合や本番などの精神的プレッシャーが引き金になることが多く、負のイメージの反復が悪循環を招きます。

 

ジストニアは日常的なストレスや長時間の不良姿勢・過剰練習も影響し、脳の運動制御に乱れを生じさせます。

 

初期段階では単なる疲労や違和感と感じやすく、放置すると脳が誤作動パターンを固定してしまうため、早期ケアが重要です。

3. 改善の鍵「脳の神経可塑性」

脳には神経可塑性と呼ばれる、神経回路を再構築・強化する能力があります。

 

誤った動作パターンも、正しい動作の反復や感覚入力の強化、緊張の緩和を継続することで修正が可能です。

 

今の状態は固定ではなく、適切なアプローチで変えられます。

4. 改善のための4つの柱

脳と筋肉の神経回路を再編成する

ゆっくり・正確なフォームを繰り返し、脳に正しい動作を再学習させます。

感覚的な動きを重視し、細部を意識しすぎないことがポイントです。

 

感覚の再教育

鏡・動画・触覚刺激で正しい姿勢や動作を視覚・触覚から補強します。

症状の有無を比較して修正点を明確化します。

 

肉体的な緊張を解く

腹式呼吸・ストレッチ・姿勢改善でこわばりを緩め、脳が正しい信号を出しやすくします。

 

メンタル面のリセット

小さな成功体験を積み、ポジティブな情報を脳に刻みます。

 

アファメーションやイメージトレーニング、マインドフルネスで不安や緊張を和らげていきます。

 

イップスやジストニアは、「もう治らないかも」と思ってしまう方も、諦めないでください。

 

脳と筋肉のつながりを正しく整え直すことで、改善の道が開けるケースは数多くあります。

 

実際に当院の背術前後の動画や感想を知りたい方は、【動画複数あり】ジストニアの患者様の症状動画!施術前後の様子など  治った!?フォーカルジストニアにお悩みの方の動画が多数 の記事を併せてお読みいただけると、少し希望がもてると思います。

 

もし今、

・思うように体が動かない

・特定の場面でだけ症状が出る

・緊張や不安が動きに影響している気がする

といったお悩みがある方は、まずは今回ご紹介した多角的なアプローチを試してみてください。

 

一人で頑張ってきたけど、やっぱり思うようにいかず、悩んでいる方はご相談ください。

 

当院では、お一人おひとりの状態に合わせた脳バランス整体で、根本からの改善を目指します。

 

 

「もっと早く相談すればよかった」

 

 

そう感じていただけるよう、全力でサポートいたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました