ゴルフのドライバーイップス・ショットイップスの克服方法をお探しの方へ。
- ドライバーを持っただけで、ドキドキしてしまう、何か嫌な感じがする。
- 震えて、固まってしまう。
- 恐くて、不安でフルショットが打てない。
- アドレスで体が固まって腕が挙がらない。
- トップで固まってダウンスイングができない。
- ドライバーでスイングした時に体に痛みを感じる。
- チーピンばっかりになってしまう。
- ダフリを連発してしまう。
- 練習だとしっかり打てるのに、本番になるとおかしくなる。
- 素振りは全く問題ないのに、ボールがあるとスイングが出来なくなる。
- ある特定の人と一緒にラウンドをまわると症状が強くなる。
この様なお悩みを抱えていませんか?
この記事を読んで実践する事であなたの辛いイップスが克服できる様に作成しました。それから、プロゴルファー、アマチュアゴルファーのドライバーのショットイップス克服例も載せています。
私たちは、ツアー優勝経験をもつプロゴルファーから、アマチュアゴルファー、それからプロ野球選手、プロサッカー選手、プロダーツプレイヤー、卓球選手などのトップアスリートのイップス治療を行うイップス治療の専門家です。
その経験を活かし、イップスの情報をシェアする事で、皆さまのお役に立てる事を願い記事にしました。
あなたがドライバーイップス・ショットイップスを克服できる事を心から願っております。
イップスとは?
ゴルフでボールを打てなくなる病気とも言われているイップス、
イップスとはウィキペディアで、
イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。
引用:ウィキペディア イップス
と書かれています。
ドライバーのショットイップスはどういうのが多い?
私たちが治療する選手達でどの様なドライバーイップス・ショットイップスが多いかと言うと、
- アドレス時の違和感、本来の自分のアドレスがどうしても出来ない。
が圧倒的に多いです。
次に、
- アドレスから固まって動けなくなる。トップに無理やり挙げないと挙がらない。
が多く、
その他に、
- トップで体が固まり、ダウンスイングが降りてこない。
- スイングが思いっきり振れない。
- 何か、感覚的にブレーキをかけている自分がいる。
- ドライバーを持っただけで胸がドキドキし、呼吸が安定しない。
- ドライバーで良いイメージが出来ない。
などがあります。
ドライバーのショットイップスになる原因とメカニズム
イップスの原因は、脳がある条件に対して過敏に反応している事です。
脳とは、筋肉を動かす命令を出していたり、痛みや筋肉の張り具合などを感じたりする頭の中にある神経の事を表します。
その脳が五感(見る・聞く・触れる・味覚・におい)情報を感じ取った時に脳が過敏に反応してしまい、脳の働きに異常が出現すると筋肉への命令に異常が生じてイップス症状が発動します。
まとめると、
ある条件
↓
五感を通じて脳が受け取る
↓
脳が過敏反応を引き起こす
↓
脳の働きに異常
↓
脳が命令する筋肉に異常
↓
イップス症状
ある条件とは、
- ドライバーを握った時
- 狭いフェアウェイを見た時
- バンカーを見た時
- ティーショットでアドレスを構えた時
- ボールを見た時
- バックスイングの時
- バックスイングでトップに上がった時
- ダウンスイングの時
- 人に見られている時
など、皆さま脳が過敏に反応する条件は異なります。
なぜ、ある条件に脳は過敏に反応してしまうのか?
ある条件に過敏に反応してしまう理由は、その条件に対して過敏に反応する程の感情が働いているからです。
また、その感情は抑圧されている場合、本人の脳は自覚しない様にしますので本人でも意識出来ない場合があります。
無意識の感情が脳を過敏に反応させていると言えます。
ドライバーのショットイップスの克服法
ドライバーのイップスの原因は上記で説明しました。では、実際にイップスになってしまった場合、どうすれば良いのか?説明します。
まず対応方法は
- 気にしないでやる。
- ドライバーを使わない。
- 感覚トリックを使う。
- 無意識の感情に脳を慣らす。
の4つあります。
一つずつ説明します。
気にしないでやる。
時が解決してくれるのを待つというスタイルです。イップス症状が出ていても、そこに善し悪しの判断はいれず、気にせずにゴルフをするという選択です。
ドライバーを使わない。
ドライバーのみのイップスの場合、ドライバーを使わなければ、症状は出ません。ですから、ドライバー以外のクラブを選択し、プレーを行うという選択です。
感覚トリックを使う。
感覚トリックとは、イップスは条件に対して反応すると説明しました。その条件を少し変えることで、イップス症状が抑えられる事を感覚トリックと言います。
例えば、
- グリップの太さを変える。
- グリップの握り方を変える。
- ドライバーを打つときの足の位置、膝の曲げ方、重心などを変える。
- アドレスの構え方を変える。
- 目線を変える。
- 目を瞑る。
- 考えている意識先を変える。(呼吸に集中する。口ずさむリズムに集中する。)
などがあります。
症状を一過性に消す事が出来ますので、応急処置として使えます。
無意識の感情に脳を慣らす。
これは、他の3つの対応方法よりも一番苦労しますが、根本的にイップスを改善する方法ともいえます。
では、無意識の感情に過敏に反応しない様に脳を慣らすイップス克服方法を説明します。
無意識の感情に脳を慣らし、イップスを克服する方法
無意識の感情に脳を慣らすためのステップとして、
- 無意識の感情を意識に引き上げる
- その感情になぜ脳は過敏に働くのかご自身の心の構造を理解する。
の2つあります。
それぞれ例を挙げながら説明しますので、ご自身の感情と心の構造に向き合ってみましょう。
無意識の感情を意識に引き上げる。
ゴルフのドライバーイップスに繋がりやすい無意識の感情は、
- 意欲(頑張ろう、一生懸命やろう、達成しよう)
- 期待(可能性、心待ちにする結果)
- 連帯感(一体感、仲間意識、絆、チームワーク、団結)
- 恐怖(怖い、恐い、嫌だな、不安、不満)
- 劣等(他人より劣っている、反省、自分を卑下している)
などがあります。
心理学的な抑圧が強い傾向の方は、『自分はドライバーで打つときに感情なんて出ていないのにイップスになっている』と思うかもしれません。
しかし、イップスになっている以上、必ず無意識的な感情が頭の中では感じていて、意識に引き上がっていないだけです。
その感情になぜ脳が過敏に働くのかご自身の心の構造を理解する。
今度は感情によってなぜ脳が過敏に反応してしまいイップスを引き起こすのか?とより深いご自身の心の構造を理解する事が必要です。
脳が過敏に反応する感情が湧く理由は、一言でいうと、
理想と現実のギャップ
です。
過去の出来事、現在の状況、未来への予想のいずれかの理想と現実のギャップに脳が過敏に反応していると言えます。
価値観の理想と現実のギャップ
人間が求めるものを価値観と言いますが、ご自身の価値観に理想と現実にギャップがある過去の出来事、現在の状況、未来への予想があるとイップスに繋がる場合があります。
イップスにつながりすい価値観は大きく分けると4つあります。
1、存在感、重要感、特別感
例
- 負ける事によって、プロとしての存在感を失う。
- 負ける事によって、スポンサーからの評価が落ちる。
- ファンがいなくなってしまう。
2、つながり・愛情
例
- ファンがいなくなったらどうしよう。
- スポンサーにきられたらどうしよう。
3、成長
例
- 本当は、もっと「こうなりたい」というのがあるのに、中々到達できない。達成できない。
4、貢献
例
- 育ててくれた親にもっと成績を残して喜ばせたい。
- ファンやスポンサーに勝って恩返ししたい。
信念の理想と現実のギャップ
人間は「〜すべき」、「〜ねばならない」というルールを人生の中で学習します。そのルールに対する理想と現実のギャップがある過去の出来事、現在の状況、未来への予想がイップスに繋がる場合があります。
ドライバーイップスに繋がりやすい信念は17あります。
1、自尊心
プライドを持つべき、誇りを持つべき。
例:「力には自信があるというプライド。」
2、自立心
自立しなければならない、人の手を借りてはならない。
例:「人に頼らずにゴルフを上手くならないといけない」
3、犠牲心
犠牲にすべき、犠牲にしなけらばならない、我慢しなければならない。
例:「本当はもっと、こうしたいのに、コーチにや友人に変えた方が良いと言われる。」
4、利己心
厄介な事、面倒な事を避けるべき。
例:「コーチとの人間関係を良好にしないといけない」
5、警戒心
警戒すべき。警戒しなければならない。
例:「飛ばない事への警戒。」「OBへの警戒。」「大叩きへの警戒。」「スライスへの警戒。」「チップへの警戒。」
6、執着心
よくも悪くもこだわっている事。
例:「スコア〇〇台というこだわり。」「飛距離を飛ばすというこだわり。」「かっこいいスイングへのこだわり。」
7、慈悲心
かわいそうだな、守ってあげたいなという信念。
例:「いくらやっても上手くならない、自分ってかわいそうだな。」
8、復讐心
納得できない、許せない、見返してやりたい。
例:「前回バカにされたから絶対に今回のラウンドで見返してやりたい。」「自分自身上手くできない事が許せない。」
9、虚栄心
実物より良く見せなけらばならない。実際のスキルよりかっこよく見せなけらばならない。
例:「自分のゴルフのスキルをより良く見せたい」
10、猜疑心
疑うべき。疑わなければならない。
例:「自分の打ち方はいけないのではないか。」「自分自身のスキルを疑っている。」「コーチの指導内容を疑っている。」
11、団結心
団結すべき。団結しなければならない。
例:「コーチと団結しないといけない」
12、探究心
探求すべき、追求しなければならない。
例:「どうすれば良いスコアが出るのかへの追求。」「どうすれば飛距離が出せるのかへの追求。」「どうすればかっこいい、美しいフォームになるかへの追求。」
13、競争心
他人に勝たなければならない。自分自身との競争に勝たなければならない。
例:「ライバルや一緒に回るメンバー間で勝たなければならない。」「目標とする自分自身との競争。」「とにかく負けるのが嫌。」
14、忠誠心・信仰心
こうあるべき。こうでなければならない。こうするべき。
例:「ラウンドで周りに迷惑をかけてはならない。」「人にバカにされていはいけない。」
15、自省心
反省しなければならない。反省すべき。
例:「過去、大きな大会でミスしてしまった事に対する反省。」
16、羞恥心
恥ずかしいと思うべき。恥ずべき。
例:「スイングの見た目がかっこ悪い。」「スコアが良くない事。」
17、同情心
同情しなければならない。
例:「同じ過ちを繰り返してしまう自分ってかわいそう。」
ドライバーイップス・ショットイップスを克服した選手達の例
ドライバー恐怖症を克服したプロゴルファー
腰の痛み、アドレス時の違和感、バックスイングのあげずらさを訴えるプロゴルファー。
- 探究心:ゴルフ技術の追求
- 変化:過去の調子がよかった平均スコアへ戻したい。
- 存在・重要・特別:来年はまた優勝したい。
- 過去の優勝後、調子を崩した時、自分の他者評価が下がった事へのトラウマ。スポンサーやファンへの申し訳ない気持ち。
この様な無意識の感情・価値観・信念がイップスへ繋がっていました。
その事を認識し、脳に慣れができた事で、イップスと体の痛みは克服し、ツアーでご活躍されています。
ドライバーのトラウマを克服したプロゴルファー
ティーグランドでドライバーを打つ前に、震えて動かなくなったの事で受診されました。
ドライバーを持った時のイメージで脳の緊張パターンのスイッチが入るので、その理由を特定していくと、
恐怖:ドライバー
↓
警戒心:ミスしたらどうしよう
↓
競争心:他のプロには絶対に負けたくない。
↓
存在・重要・特別:私にはゴルフしかないのに、負けたら存在価値がなくなってしまう。
この様な心の構造をしていました。
その理想と現実のギャップを受け入れ、認識し脳がギャップに慣れた事で、今現在ツアーでもご活躍されています。
トップからクラブが降りてこないドライバーイップスのアマチュアゴルファー
ドライバーかロングアイアンでフルショットする時だけイップスが出る。
イップス症状は、トップで固まってしまって降りてこないという事でした。
また、練習場では起こらず、ラウンドでの条件に反応するとの事です。
イップスのスイッチは自分自身への期待が関係しており、もっと遠くへ飛ばせるんじゃないか?という事が原因になっていました。
そのもっと飛ぶ自分の理想と現実のギャップを認識する事で脳は慣れ、イップスを克服しました。
ドライバーでバックスイングの際、トップに上がる直前に固まる感じを訴えるアマチュアゴルファー
ラウンド中にイップス症状が出て、練習中は平気という事でした。
信仰心:理想のスイングをしなければならない
↓
羞恥心:周りの人にうまいと思われているので、理想のスイング出ないと恥ずかしい。
↓
プロや海外選手と同じようなスイングをしたい。
その他、執着心でスコアでビックスコアへのこだわりもイップススイッチに関係していました。
そのご自身の信念の理想と現実のギャップを受け入れ、認識した事によって、脳が落ち着き、ドライバーのショットイップスを克服しました。
ツアープロとアマチュアゴルファー(一般人ゴルファー)のイップスには違いがある。
ツアープロのイップスは、ゴルフに関係した事だけがイップススイッチになっている場合が多いですが、アマチュアゴルファーは、ゴルフ以外の関係性が関連する場合がとても多いです。
具体的に、奥様や子供がいらっしゃる男性の場合、妻や子を置いて自分だけゴルフをしている罪悪感があったりすると、無意識的にそれがイップスのスイッチになる場合もあります。
ゴルフ関係の無意識の感情とその感情を引き起こす価値観、信念の理想と現実のギャップを認識してもイップスが改善されない場合、もっと広い関係性でイップスに繋がる原因を探す事が必要です。
様々な関係性がイップスに繋がっていた例を挙げます。
親子関係、兄弟関係、友人関係が複雑に絡んでいたドライバーのショットイップスの例
ゴルフのショットイップス(指が巻き込む、トップで固まる、目標物があると緊張する、腰がひける、)と首の違和感を訴える方でした。
症状に繋がる原因は、
【犠牲心】:息子として父、母には信頼がないし、父は父の役割を果たしていない。ちゃんと育ててもらっていない。
【競争心】:常に自分自身と競争している。過去の自分より上へ上へ行くべき。
【成長】:自分自身の本来求めるゴルフに対して現実が10段階中1くらい。
【貢献】:息子として家業ではなく、外で働いて、親を安心させたいが現実はできていない。
【犠牲心】:息子の立場として、本来の自分が許されない環境で、母は祖母の顔色をみて模範的な母を演じ、自分は自分の本心を殺して生きてきた。
【忠誠心】:息子として、小学校の時、親の所有物にされている感覚があった。
【劣等感】:小学校の時、友人よりも体育でうまくできない経験。大人になって唯一上手い分類に入れるのがゴルフである。だからこそ、良いところを人に見せたい。
【信仰心】:兄として弟に良い兄として見られなければならない。しかし模範的な兄でいれない事への負い目。
【執着心】:私は模範的で正当なゴルフをする。だからこそ、自分より後に初めた人が自己流でやっていると気になってしまうし、そのような人にアドバイスされると「イラ」っとする。自分が調べた事だけを行いたいというこだわり。
【存在感・重要感・特別感】:自分の求める存在意義は、親が自慢できる息子、何か他人より優っていないといけないと思っている。
【羞恥心】:息子として、常に父に合わせていない自分がいる。父をないがしろにして、祖母優先にしてる。
【羞恥心】:元ゴルフ部の友人に、「え!?ボール見えてないの?」と言われ、ヘッドアップについて、肩が早く開いていると言われ、それから意地でもヘッドアップしないように打とうと思った。
【競争心】:アルバイト先の先輩と常連のお客さんにアドバイスされるのが嫌、自分より技術的に下の人に負けるのは嫌。
【成長】:兄として、弟は外でゴルフの仕事して、家を出て自立している、本当は自分も家を出て一人暮らしをしたい。自分のやりたい事を先に越された感覚。本当はもっと成長したい。
などがありました。
これらによって脳は不安定になっていて、ゴルフの条件に過敏に反応していましたが、本人が認識し心の構造を理解し安定していった事で重度のイップスを克服しました。
思い込みでイップスが治りにくくなる。
上記で感情や価値観、信念がイップスに繋がる事を説明しました。そして、中々イップスが治らない原因として、思い込みが関係する場合があります。
イップスに繋がる思い込みは3つあります。
経験
「長い間、イップス症状が続いているから治らない。」という思い込み。
情報
過去に仕入れた情報によりイップスが治りにくくなっている場合があります。
例
- イップスが治らないという情報をインターネットで仕入れた。
- 病院の先生や治療院の先生に治らないと言われた。
- 自分は性格上イップスになりやすいタイプと言われた。またはインターネットで見て自分が当てはまった。
などがあります。
肯定的な意図
肯定的な意図とは聞いた事がない方も多いと思います。
上記でも説明した様に意識ではなく、脳が勝手(無意識)に肯定的な意図を作っています。
肯定的な意図とは、症状を持つ事で自分に得られる事があるという心理状態を表します。
イップスを治したいのに、得られる事があるなんて矛盾していませんか?と思う方も多いと思います。しかし人間の心理にはこのような状態になる事があります。
意識と無意識のギャップですので、無意識に形成しやすい肯定的な意図を6つ説明します。
正当な言い訳(理由)
イップスである事で言い訳や理由作りができる。
- イップスである事で上司のゴルフを断れる。
- イップスである事で大会に出なければ、負けるという屈辱を感じなくて済む。
- イップスであれば、スコアが悪い事を正当化できる。
などがあります。
正当な評価
イップスである事で評価が得られる。
イップスは、練習した人だけがなるという情報を本人が仕入れている場合、イップスになりやすくなる可能性があります。
なぜかというと、イップスになっていないという事は、練習をしていないという自己否定になりますので、イップスになる事で自分は沢山練習している、頑張っているという評価に繋がります。
これが正当な評価が得られるという意味です。
安心・安全
イップスである事で安心・安全が得られる。
イップスである事で悪いスコアが出ても傷つかないでいれる。などの心の安定に繋がる場合があります。
周囲からの思いやり
イップスである事で周囲から思いやりが得られる。
- イップスである事で、心配してもらえる。
- 話下手だけど、イップスである事で、色々上手い人がアドバイスをしてくれる。
- イップスである事で色々優遇してくれる。
などがあります。
充足感や成長
イップスを克服する事が成長に繋がるという学習を脳がしている場合、イップスを克服したら成長が得られなくなると解釈してしまいます。
その思い込みがある場合、自分の納得いくまでの成長がない限りイップスが治らないという事になります。
被害者・犠牲者であるという承認
イップスである事で、被害者・犠牲者である承認が得られる。
- 本心ではもうゴルフをやりたくないのに、辞められない環境にいる。
- 自分ではこういうスイングをしたいのに、コーチに変えろと言われている。
などがあります。
プロゴルファーを真似すればする程、調子を崩すその理由とは?
イップスになる原因として、憧れの選手を真似する事でなってしまった選手が沢山います。これはプロもアマもです。
人はそれぞれ、骨格、柔軟性、関節の可動域、視力、反射の有無・強さ、脳の構造、心の構造が違います。
それなのに、その人と全く同じを求めてしまっています。
あなたは何を目標にしていますか?
真似る事が目標になっているのか?綺麗なフォームだねと人に認められる事が目標になっているのか?本当はスコアをあげる事が目標なのか?楽しむ事が目標なのか?
ご自身の目標を見失わない様にしてください。
自分を信じる勇気こそが最大のゴルフ上達法である。
イップスの方は、「自信がない」「自信がなくなった」と言う事が多いです。
『自信』とは『自分を信じる』事
自分を信じる事で他人からの評価が気にならなくなります。
自分を信じる勇気これを持つ事がとても重要だと思います。
トッププロは現実を素直に受け入れる勇気を持ってる。
トッププロはご自身の良いところ、悪いところ、得意なところ、不得意なところ、生まれ持った体格、年齢、成績などありのままの自分を受け入れる勇気を持っています。
ありのままを受け入れた時がスタートです。そこから、ご自身の目標に向かって、「今、何をすべきか?」を自問自答し、行動を起こします。
目標と目標達成時期が明確になれば、
『いま良いところをさらに磨くべきか?』
『悪いところを改善するべきなのか?』
『両方に着手すべきなのか?』など今すべき事が見えてきます。
トッププロはこれを継続的に行い結果を残している様に見えます。
まずは、素直にありのままの今現在のご自身を受け入れてください。
イップスになるのが問題ではありません。イップスが治らないのが問題です。
イップスの自分を受け入れ、なぜイップスになったのか、ご自身の思考パターン、行動パターンを認識し、イップスを抜け出すために、そしてご自身の最終ゴールの目標達成のために「今何をすべきか?」を自問自答し、思考パターン・行動パターンの書き換えを行ってください。
体の調節でもイップスに繋がる脳の過敏反応を一時的に取り除ける
無意識の感情や思い込みが脳の過敏反応を引き起こすと説明しました。
根本的に改善するためには、無意識の感情に慣らしたり、思い込みを書き換える必要があります。
しかし、それが早急に難しい場合、強制的にイップスに繋がる脳の過敏反応を打ち消す方法があります。
その方法とは【体を調整する事】です。
体を調節する事で、その情報が脳へ伝わり、脳を安定させる事ができます。
体の調節は、イップス時に脳が不安定になった結果として出やすい、筋肉や関節の調節・小脳(しょうのう)の調節・脳神経系の調節・前庭器官の調節が有効です。
では検査の仕方と調節を説明します。
筋肉・関節の調節
首の調節
首の調節は、首をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
下記の画像でどの様に動かすか参考にしながらおこなってください。
※画像は左に傾けているだけですが、右もおこなってください。
※画像は右に捻っていますが、左もおこなってください。
※右回り、左回りどちらもおこなってください。
肩の調節
肩の調節は、肩をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
下記の画像でどの様に動かすか参考にしながらおこなってください。
※画像は左腕だけですが、右もおこなってください。また、画像よりも挙がる方はしっかり挙げきってください。
※画像は左腕だけですが、右もおこなってください。
※画像は左腕だけですが、右もおこなってください。
※画像は左に傾けているだけですが、右もおこなってください。
肘の調節
肘の調節は、肘関節をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
下記の画像でどの様に動かすか参考にしながらおこなってください。
※画像は左に傾けているだけですが、右もおこなってください。
手首の調節
手首の調節は、手首をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
下記の画像でどの様に動かすか参考にしながらおこなってください。
※画像は左に傾けているだけですが、右もおこなってください。
指の調節
指の調節は、指を一本一本引っ張ったり、手をパーにしながら、指の長軸に押し付けたりします。また大きくグーパーをします。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
腰・体幹の調節
腰・体幹の調節は、腰・体幹をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
下記の画像でどの様に動かすか参考にしながらおこなってください。
股関節の調節
股関節の調節は、股関節をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
下記の画像でどの様に動かすか参考にしながらおこなってください。
※画像にモモを前に持ち上げる動作と、股関節を後ろに反らす動作がありませんが、行いましょう。
※画像は左に傾けているだけですが、右もおこなってください。
膝の調節
膝の調節は、膝を曲げる、伸ばす、あまり捻じれないですが捻る方向へ力を加えます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
足首の調節
足首の調節は、足首をあらゆる方向へストレッチしていきます。そこで、硬さや違和感、痛み、左右差などがあれば異常です。
調節の仕方は、異常な方向を見つけたら、そのまま大きく2回深呼吸します。
深呼吸した後、もう一度同じ方向へ動かし、異常が取れているか確認してください。
小脳の調節
小脳は、運動のプログラミング、目の動きと頭の位置の関係性のコントロール、筋肉の緊張のコントロール、体のバランスのコントロールを司っている脳の一部です。
※小脳の検査はふらつきなどを確認する検査があります。転倒して怪我をしてしまう場合がありますので、一人では行なわない様にしましょう。
片足立ち
片足で立って、目を瞑ります。ふらついたり、バランスを崩した場合は異常です。2回深呼吸して調節しましょう。
※画像は左に傾けているだけですが、右もおこなってください。
バイバイテスト
手を前に差し出し、大きく早くバイバイをします。その時に左右の動きが違う場合、両方と明らかに遅い場合は異常です。
2回深呼吸して調節しましょう。
小指鼻テスト
両手を前に差し出し、小指だけ立たせます。そして、片手の小指で鼻の先端を触り、今度はもう一方の手で鼻を触る運動を出来るだけ早く行います。これを交互に10秒間程行います。
上手く鼻の先端が触れない場合、明らかに遅い場合は異常です。
2回深呼吸して調節しましょう。
前方挙上テスト
両足をつけて立って、目を瞑り勢いよく両手を前へ90度でビタ止めをします。その時に両腕が90度でしっかり止まった場合は正常ですが、両手とも90度を過ぎていたり、両腕の高さに違いがある場合は異常です。
2回深呼吸して調節しましょう。
マン試験
踵に反対の足のつま先をつけ、その状態で目を瞑り維持します。ふらついたり、バランスを崩した場合は異常です。
2回深呼吸して調節しましょう。
※写真は左足前で行なっていますが、右足前でも同じ様に検査をしましょう。また、目が開いていますが、目を瞑って検査します。
脳神経系の調節
脳神経系とは、目を動かしたり、匂いを感じ取ったり、首や肩周辺の筋肉をコントロールしていたりする神経です。12本ありますが、その中でもゴルフのイップスと関係が深い神経を厳選します。
胸鎖乳突筋(副神経)
首の横側の筋肉をコントロールしている神経の検査と調節です。
写真の様に、顔を右に向けて、左手で頭をおさえて、頭と手で力くらべをします。
首に力が入りにくい感じがあったり、痛み違和感などがあれば異常です。
元に戻し、2回深呼吸して調節しましょう。
僧帽筋(副神経)
肩こりをしやすい部分の筋肉です。
写真の様に、肩を耳に近づけます。
その時に力の入りにくさ、痛み、違和感などがあれば異常です。
元に戻し、2回深呼吸して調節しましょう。
眼球運動
目をゆっくりとしっかり各方向へ動かします。その時に違和感や痛みがあれば異常です。
異常の状態を引き出し、深呼吸を2回して調節しましょう。
調節後、もう一度異常な方向へ眼球を動かし、違和感が取れているか確認してください。
前庭器官
前庭器官は平衡感覚などをコントロールしている器官です。
頭グルグルテスト
頭をとにかく高速にあらゆる方向へ動かします。その時に、違和感やめまい、不快感などあれば異常です。
調節は、動かした後、深呼吸を2回おこなってください。
調節後、もう一度、頭をグルグルし、異常が取れているか確認してください。
まとめ
いかがでしたか?
ゴルフのドライバーイップス・ショットイップスの克服方法をまとめると、
- 一過性には、感覚トリックや体の調節が有効。
- 根本的には、過敏に反応する出来事を認識し、それに対するご自身の心の構造の把握と思い込みの書き換えが必要。
になります。
克服=変わる
あなたが変わらないと本当の意味でイップスは克服できません。
まずは、現実をしっかり受け止め、一つずつ階段を昇って頂き、イップスを克服できる事を願っています。
もし、こちらの記事を実践して頂き、万が一克服できない場合は、脳と体、心と体、無意識の記憶にアプローチできる専門家にご相談される事をおすすめします。
最後までお読み頂きありがとうございました。
この記事の参考文献
- ジストニア診療ガイドライン2018:日本神経学会
- ジストニアのすべて:梶 龍兒
- 体の不調は脳がつくり、脳が治す:保井志之
- 「こころ」はいかにして生まれるのか最新脳科学で解き明かす「情動」:櫻井武
- コーピングのやさしい教科書:伊藤絵美
- 記憶と情動の脳科学:ジェームズ・L.マッガウ, 久保田 競, 大石 高生
- イップスの科学:田辺規充
- コーチング・クリニック:ベースボール・マガジン社
- イップス:澤宮優
- イップスは治る:飯島智則
- イップスかもしれないと思ったらまず読む本:河野昭典
- 薬に頼らず家庭で治せる発達障害との付き合い方:Dr.ロバート・メリロ
- 心身条件反射療法研究会資料