- 不調があるのに、病院に行っても、特に異常なしと言われる。
- 整体院やマッサージ院に行くと、「凝ってますね。」「歪んでますね。」と言われる。
- 心療内科に行っても薬を渡されるだけ。
- ずっと治らない痛み、凝り、違和感が身体にある。
- 不安感や恐怖感にずっとおびえている。
解決しない、感情やお身体の不調がございませんか?
こちらで紹介する内容を良く読んでいただき、そして紙に書き出してを実践して頂くと、お悩みが解決する様に作成しています。
脳科学、心理学、コーチング学、西洋医学、東洋医学、代替療法などの様々な視点から、統合的に薬や注射を使わずに心と体の整える方法をお伝えします。
心と体の関係性
最近、脳科学の進歩に伴い、心身相関(しんしんそうかん)が科学的にわかる様になり、良く耳にする様になったと思います。
心の変化によって、自律神経、ホルモン、めんえき機能のバランスが悪くなり、肉体へ不健康を及ぼします。
また、ケガや菌のなどの肉体に異常がある場合、その情報が神経を通じて脳へ到達し、心に変化をもたらします。
心と身体は繋がっていて、そして相互に関係しあっている。という事を理解する事が健康への第一歩となります。
人間は全体で一つであり、部分に執着しすぎると、全体のバランスを失う可能性がとても高いといえます。
時に全体的、時に部分的、バランスに気を配ってみませんか?
ストレッサーとストレス反応の説明
よくストレスという言葉を聞くことがありますが、ストレスって何だろう?と疑問に思う方はいませんか?
ここではストレスをストレッサーとストレス反応と分け、その関係性を理解していただければと思います。
ストレッサーとは?
上記の図にも書いてある様に、ストレッサーとは、外部環境の事を表します。
例:気温、季節、状況、出来事、現象、対人関係など。
ストレス反応とは?
ストレス反応とは、ストレッサーに対して、あなた自身が反応した状態を表します。基本的に4つの反応があり、認知・感情・身体反応・行動の反応があります。
認知とは?
認知とは自動思考とも呼ばれる通り、自動的(勝手)に思いつき、自分でも気づくことが難しい思考です。
例:
雨が降っている(現象・ストレッサー)→濡れる(認知)→嫌だな。(感情)
上記の、「濡れる」というのが認知になります。
ポイントは、自動的に思いつき、ある意味当たり前すぎて、自分でもそんな認知をしている事自体気付かないことが多い事です。
感情とは?
感情とは、一言で表せる自分の心の状態です。
例:嬉しい、楽しい、喜び、辛い、寂しい、恐怖、落ち込み、イライラ、ソワソワ、ワクワクなど
身体反応とは?
身体反応とは、身体に現れる症状のことです。
例:頭が重い、頭がボーっとする、胸がドキドキする、息苦しい、喉がつまる、肩が凝る、腰痛、腰が重い、手足のしびれ、顔面蒼白、ニキビ、吹き出物、足がつる、かかとが痛い、アゴが痛い、など
行動とは?
感情や身体反応に伴う、動作のことです。
例:イライラ(感情)したため、壁を殴った。(行動)
肩が凝った(身体反応)ので、マッサージ屋に行った。(行動)
感情・身体反応・行動はストレッサーからの刺激によって、脳が作り出す。
上記で、ストレス反応(認知・感情・身体反応・行動)とストレッサー(現象・出来事など)を説明しました。
もう少し、脳を交えて説明します。
ストレッサーを五感(目・耳・口・身体・鼻)から感じ取り、脳に刺激され、脳の刺激された部分に対する感情、身体反応、行動が生じます。
ストレッサー⇒脳が感情・身体反応・行動を引き起こす。⇒身体反応・行動を求心路が脳へフィードバック⇒脳が感情・身体反応・行動を引き起こす。
というサイクルでストレッサーがストレス反応として個人に影響します。
ストレス反応である感情に気付かない防衛機制とは?
よく、当院へ来院される患者様で、激痛を伴って来院されていますが、「私、ストレスは感じてません。」と言われる方がいます。
しかし、外傷などでない、慢性的な症状や、西洋医学の病理学的な検査で異常がはっきりしないものは、99%ストレッサー(出来事・現象・対人関係など)に対するストレス反応(身体反応)の症状です。
なのに、なぜ患者様は身体反応には気付くのに、感情やストレッサーには気付かないのでしょうか?
そこには全てではないですが、大きな要因として、心理学でいう防衛機制が関係しています。
自分にはストレスがないと思ってしまう。=ストレスに気付いてはいけない。または気付かない方が生きやすい、気付かない方が自分は守られると脳が学習記憶している場合があります。
例えば、小さい頃、イライラした事で叱られた経験をしたとしましょう。するとイライラすることは悪い事なんだ。人から愛されなくなるんだ。と脳が学習した場合、大人になってイライラしていても、自分ではそのイライラを自覚できなくなってしまいます。
過去の経験で、自分では認識しにくくなっている、感情の種類があります。
その自分が認識しにくくなっている感情を整理する事が心と体を整え、健康になれる突破口になります。
ストレッサーを認識しよう。
ストレッサーの確認をしましょう。ストレッサーとは、ご自身の感情・身体反応・行動などに影響する外部環境の事でした。
あまりストレッサーが思いつかない場合、先程説明した様に、ご自身の脳は自覚しない様に学習している場合があります。
大きなストレッサーから、小さなストレッサーまで、認識していきましょう。
現在、過去、未来の時間軸で、出来事・状況、対人関係など探っていきます。
ポイントは、必ず紙に書く事です。
いくつか例を挙げていきますので参考にしてみてください。
- 1年前、仕事で上司に怒鳴られた。
- 先週、友人と話した。友人はずっと自分の話をしていた。
- ここ最近、主人の帰りが遅い。
- 今週は仕事量が多い。
- 今の会社は勤務時間が長い。
- 今現在、子供が騒がしい。
- 1ヵ月後に、受験がある。
- 1週間後に会社の大きなプレゼンがある。
- 1ヵ月後に出産予定である。
- 1か月後、同窓会がある。
感情を認識しよう。
次に感情を認識していく作業です。
ストレッサーに対する感情を記入していきます。
上記で説明したストレッサーの例に対しての感情の例を挙げていきますので参考にしていみてください。
1年前、仕事で上司に怒鳴られた。(ストレッサー)
↓
怖い、怒り、苦しみ、緊張、むかつく、ゆううつ、がっかり、落ち込む、不安、逃避、不快感(感情)
先週友人と話した。友人はずっと自分の話をしていた。(ストレッサー)
↓
義務、連帯感、逃避、不快、嫌悪、怒り、閉塞、拘束、むかつく、イライラ、さみしい、がっかり、苦痛、心配、落ち込む、辛い(感情)
ここ最近、主人の帰りが遅い。(ストレッサー)
↓
喜び、悲しみ、苛立ち、充実、自由、ワクワク、ドキドキ、不安、軽蔑、不信(感情)
1ヵ月後に出産予定である。(ストレッサー)
↓
喜び、義務、恐怖、逃避、楽しみ、希望、解放、当惑、嬉しい、心配、ウキウキ、ワクワク、ドキドキ、落ち着かない(感情)
ポイントは、ストレッサーに対して、感情はポジティブな事、ネガティブ事、どちらも含まれている場合がある事です。
身体反応を認識しよう。
身体反応は、ストレッサーに対する感情の変化によって、自律神経、ホルモン、めんえきなどの調節が変化し、身体に影響する反応の事でしたね。(感情の変化による身体反応を求心路によって脳へフィードバックして感情を更に変化する事も脳科学で発見されています。)
ストレッサーによる感情の変化、そして身体反応まで認識していきましょう。
また、いくつか例を挙げていきますので参考にしていみてください。
今週は仕事量が多い。(ストレッサー)
↓
義務感、逃避、恐怖、不快、怒り、拘束(感情)
↓
肩が凝る。腰が痛くなる。頭が重くなる。吹き出物がでる。胃が痛い。めまいがする。(身体反応)
ここ最近、主人の帰りが遅い。(ストレッサー)
↓
不安、恐怖、不信、苛立ち、怒り、イライラ(感情)
↓
息苦しい、動悸、呼吸困難、喉の違和感、背中の痛み、手足の冷え(身体反応)
1ヵ月後に出産予定である。(ストレッサー)
↓
不安、恐怖、喜び、緊張(感情)
↓
坐骨神経痛、動悸、めまい、肩こり、腰痛、足のしびれ、足の冷え(身体反応)
行動を認識しよう。
ストレッサーによる感情の変化、そして身体反応をまで認識した後、ご自身がどの様な行動をとっているのか認識していきましょう。
ポイントは、表情もお顔の筋肉が動くので、行動の一種と捉えてみてください。
また、いくつか例を挙げていきますので参考にしていみてください。
1年前、仕事で上司に怒鳴られた。(ストレッサー)
↓
怖い、怒り、苦しみ、緊張、むかつく、ゆううつ、がっかり、落ち込む、不安、逃避、不快感(感情)
↓
胸がドキドキ、顔面蒼白、頭痛、手足の筋肉が収縮、手足の冷え(身体反応)
↓
ムっとした表情をする、暴飲暴食、ふて寝、頭痛薬を飲む、ストレッチをする、お風呂に入る、病院へ行く。(行動)
1か月後、同窓会がある。(ストレッサー)
↓
楽しみ、ワクワク、不安、怒り
↓
呼吸が浅くなってくる、頭が重くなる、胸がドキドキする、肩が凝る
↓
髪を切りに行く、洋服を買いに行く、昔のアルバムに目を通しておく、マッサージに行く。
感情と身体反応を調整しよう。
身体反応がご自身の望むものでない場合、身体反応を引き起こす、感情に変化が起きないと身体反応が治る事はないはずです。
しかしながら、現在、感情や身体反応に直接アプローチする方法はありません。
その代わりに、望まない感情や身体反応を引き起こさない間接的なアプローチ方法はあります。
それは、①行動を変える。②認知を緩める又は書き換える。③ストレッサーそのものを避ける。の3つです。
行動を変える
行動を変え、筋肉や内臓から脳へ戻る(求心性)の神経の伝達によって脳の機能が安定すると、脳からの命令(遠心性)の神経伝達が安定する事によって、身体の不調が改善します。
マッサージやカイロプラクティック、なども私の概念では、この一種の行動療法だと思っています。施術者が刺激を与え、求心性(脳へ戻る)の神経伝達によって脳が機能的に安定し、症状が改善するというカラクリです。効果があったという事はそれで脳が機能的に安定したのに対し、効果がなかったという事はその刺激では脳は機能的に安定しなかった事を意味していると思います。
ご自身で出来る事は、運動をする。毎朝30分早く起きてみる。夜寝るのを30分早くする。栄養バランスを見直した自炊をする。一日5分の瞑想をする。
など行動を色々変えてみて、ご自身の望む身体反応や感情になる様な行動習慣を探すと良いでしょう。
認知を緩める又は書き換える。
認知とは自動思考とも呼ばれる通り、自動的(勝手)に思いつき、自分でも気づくことが難しい思考の事でした。
例:Aさん
雨が降っている(現象・ストレッサー)
↓
濡れる(認知)
↓
嫌だな。(感情)
↓
頭が痛くなる(身体反応)
↓
寝る(行動)
上記の例を見てみると、「濡れる」が認知でしたね。上記の例の人は雨が降ると頭が痛くなって寝る。という行動をとりました。
しかし、Bさんは雨が降ると心が弾み遊ぶ。という行動をとりました。Bさんの認知はなんでしょうか?
例:Bさん
雨が降っている(現象・ストレッサー)
↓
濡れると心が綺麗になる感じがする。(認知)
↓
楽しみ(感情)
↓
心が弾む(身体反応)
↓
遊ぶ(行動)
この様に、雨が降っているという外部環境に対して、AさんとBさんの認知が違う事によって、感情・身体反応・行動が変わる事がわかりました。
ご自身が望まない心や体の状態には、望まない状態にしてしまう、認知(自動思考)が存在します。
その認知(自動思考)が緩まったり、書き換わる事によって、ご自身の望む心や体の状態をご自身で手に入れる事が出来ます。
ご自身の認知を紙に書きだして、認識するだけで、緩まります。最初は書き換える必要はありませんので、まずはご自身の認知を確かめてみてください。
認知を作っている核の認知(深い認知)を認識しよう。
これは第2弾で説明します。
ストレス反応時のモード説明と対処法
私が運営する院では、病院や民間療法、心理カウンセリングで治らない方を中心に施術させていただいておりますが、ご自身で耐えがたい身体反応や不安・恐怖などの感情をお持ちの方の共通点は、「いつもとは違うモードに入っている。」という事です。
どんなモードかというと、脳科学的に説明すると、ストレス反応によって大脳皮質系(意志力・知恵など人間だからこそ進化した脳の部分)が機能低下に陥り、大脳辺縁系(動物全般にある部分なので、動物的な脳)に身体や感情が支配されている様に感じます。
いくつかのモードを説明します。またそのモードへの対処法も説明します。
赤ちゃんモード
痛い!痛い!痛い!
つらい!つらい!つらい!
こわい!こわい!こわい!
不安!不安!不安!
などと第三者から見ると赤ちゃん返りしているように思えます。自制心がなくなり、わがままで子供の様であり、大人な判断ができない状態です。
でも、これは、あくまでも、ストレス反応によって、大脳皮質(人間らしい脳)の機能が低下しているだめ、大脳辺縁系(動物らしい脳)がメインで働いているからです。
仕方がないことです。
この時の対処法は、ご自身も、また回りの人も、赤ちゃんだと思って、接する事です。それだけストレス反応が出ているので労わってあげてください。
自分を傷つけるモード
大脳皮質が完全に機能が働かなくなっているわけではないので、ご自身が赤ちゃんな事もご本人はわかっています。
なので、そんな自分へ、「身体が痛いからといって仕事を休んで、私って本当にダメ人間。」「身体が辛いからといって家事をしないって、私甘えている。」などと傷つける傾向がある人がいます。
これも上記で説明した様に、ストレス反応によって、大脳皮質系の機能が低下し、大脳辺縁系が引き起こしている仕業なので、自分を傷つける事は一切やめましょう!!
自分で自分を大切にしてください。守ってあげてください。
まとめ
いかがでしょうか?
これは読んで納得しても、心や体が変化する事は少ないです。実際に紙に書いて、ストレッサー・認知・感情・身体反応・行動の関係性を見つけ出す事が重要です。
己を知る。そうする事でご自身の望む心の状態、体の状態を手にする事ができます。
もし、ご自身だけでは難しい方は、石井堂グループの施術者と共に二人三脚でお望みの方向へ進めるように、バックアップさせて頂きます。
お気軽にお問い合わせください。
参考文献
- 「こころ」はいかにして生まれるのか 著書 櫻井武
- ここまでわかった心身相関 著書 久保千春 九州大学病院長
- 認知行動療法ガイド:基礎から応用まで 著書 ジュディス・S・ベック
- スキーマ療法 著書 ジェフリーE・ヤング ジャネット・S・クロスコ マジョリエ・E・ウェイシャー