テニスのサーブトス・イップスにお悩みのあなたへ。
「トスにどうしても意識がいってしまう。」「サーブのトスの際ボールが指に引っかかってしまう。」「思ったところにトスがあがらない。」「楽しんでテニスができなくなった。」
この様なお悩みを抱えているのではないでしょうか。
この記事を読む事によって、サーブのトスに対するイップスの原因、症状、改善方法、それから実際にサーブトスのイップスを克服した選手3名の例を知る事ができます。
それから、テニスのパフォーマンスをあげる、脳と筋肉の連動性を高めるセルフ治療まで知る事ができます。
私たちは、テニスの選手に加え、プロゴルファー、1軍プロ野球選手、男子サッカー日本代表選手、バレーボール日本代表選手、陸上日本代表選手、プロダーツプレイヤーなどのトップアスリートの治療に携わっているイップス治療の専門家です。
その経験を活かし、イップスの情報をシェアする事によって、あなたの辛いイップスが改善される事を心から願っております。
イップスとは?
イップスとは、広辞苑では下記の様に説明しています。
これまでできていた運動動作が心理的原因でできなくなる障害。もとはゴルフでパットが急に乱れることを指したが、現在は他のスポーツにもいう。
引用:広辞苑(第七版) 岩波書店
また、ウィキペディアでは、
イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。
引用:ウィキペディア イップス
と説明されています。
上記の様に、イップスとは、本来ならできる事が精神的な要因などによってできなくなる事を表し、元々成功率が低いものなどができないなどは単なる技術不足でありイップスではありません。
イップスに悩むテニス選手
イップスに悩み、引退された選手として有名な方は、ギリェルモ・コリア選手です。
ガストン・ガウディオ選手との試合以降、トスをあげる事ができなくなり、世界ランキングトップ10入りでしたが、500位まで低迷し、2009年に引退しています。
日本人の錦織圭選手もイップスだったのでは?とインターネットで書いてある記事がいくつかありますが、真相はわかっていません。
参考:錦織圭公式サイト
テニスイップスの種類
テニスのイップスにもいくつか種類があります。
大きく分けると
- サーブのイップス
- バックハンドのイップス
- フォアハンドのイップス
- 球出しのイップス
の4つになります。
こちらの記事では、サーブのトスに対してのイップスについて詳しく説明します。
サーブ・トスのイップス症状とは
サーブのトスのイップスの症状は、
- トスがブレる。
- トスの際、手がスムーズに動かない、かたまる。
- トスをあげようとしてもあげられない。
この3つが多い症状です。
サーブ・トスイップスの原因とメカニズム
イップスは、脳から筋肉へのコントロールがおかしくなっている状態を表します。
ですので、脳が不安定になっていると筋肉への支配に異常がおこります。
では、なぜ脳が不安定になるのかというと、脳がある条件にに対して過敏に反応しているからです。
ある条件とは、
- ボールを持った時
- トスをあげようとした時
- テニスコートを見た時
- 大きな大会の時
- ある特定の人と対戦した時
など人それぞれ条件は異なります。
まとめると、
ある条件
↓
脳が過敏に反応
↓
脳の働きが不安定になる
↓
脳が支配する筋肉に異常収縮があらわれる
↓
思った様に体が動かない=イップス
がイップスのメカニズムです。
サーブ・トスのイップス克服法
上記でイップスのメカニズムを説明しましたが、なぜ、ある条件に対して、脳が過敏に反応したのでしょうか?
過敏に反応している時に大脳辺縁系という脳の部分に感情が存在しています。
まずは、その感情を特定する事からはじめます。
その過敏に反応してしまう感情を特定し、過敏に反応しない様にする事がイップスを克服するための近道になります。
イップスに繋がりやすい感情の特定
それでは、イップスに繋がる過敏反応時の感情について例を交えながら説明します。
1、意欲
頑張ろう。一生懸命やろう。達成しよう。という感情です。
例:「次の大会のために一生懸命練習しよう。」「次の試合こそ絶対に勝とう。」などがあります。
2、義務
しなければならない。責任。務め。などの感情です。
例:「辛い練習をしなければならない。」「大会で優勝しなければならない。」などがあります。
3、期待
心待ちにする結果。期待している感情です。
例:「次の試合勝てるかも。」「これで勝てれば全国大会に出場できる。」などがあります。
4、連帯感
団結。チームワークなどに関連する感情です。
例:「監督・コーチと頑張ってきた。だからこそ結果を残したい。」「親が応援してくれていいる。」などがあります。
5、恐怖
怖い、恐い。恐れ。などの感情です。
例:「失敗したらどうしよう。」「負けたらどうしよう。」「いつも通りの動きができなかったらどうしよう。」などがあります。
8、逃避
逃げたい。避けたい。一緒にいたくない。などの感情です。
例:「監督・コーチから逃げたい。」「練習から逃げたい。」「試合のプレッシャーから逃げたい。」などがあります。
9、劣等
劣っている。という感情です。
例:「他人より劣っている。」「過去の自分より劣っている。」などがあります。
過去の記憶が現在のイップスに繋がっている場合が多い。
脳は、上記で説明した様な感情が働き脳が不安定になった経験を覚えています。
今、現在のイップスの症状の原因が5年前の大きな大会で負けた記憶や選抜から外された記憶、他に監督やコーチに怒られた記憶という事もあります。
なので、イップスの原因を特定する際は、現在だけでなく、過去の記憶、それから未来への予想の3つの時間軸で特定していく事が必要です。
次にイップスに繋がりやすい感情を引き起こす心の構造を把握する。
上記でイップスに繋がっている感情を3つの時間軸で探せたと思います。
次のステップとして、その感情を湧かせる心の構造を理解する事をします。
感情は、価値観や信念がある事で湧きます。
自分にはどんな価値観があり、どの様な信念があるのか?を理解し、場合によっては変える事で感情をコントロールする事ができます。
感情が安定すれば、脳の過敏反応も平行して軽減し、その結果イップス症状を改善する事ができます。
では、まずはイップスに繋がりやすい4つの価値観を例を交えて説明します。
価値観=人間が求めるもの
価値観とは、人間が理屈抜きに求めるものを表します。
1、刺激・変化・挑戦
刺激を求めたい、やりがいが欲しい、変化したい、挑戦したい。という価値観です。
例:「元の安定していた(調子がよかった)状態へ戻りたい。」
2、存在感・重要感・特別感
存在意義、承認欲求と言われる価値観です。
例:「優勝して認められたい。」「監督に特別な選手として扱われたい。」「他者にうまい選手だと思われたい。」
3、成長
成長したいという価値観です。
例:「もっと上手くなりたい。」「もっとあの様な選手と同じ様に打ちたい。」「サーブで決めれる程の選手になりたい。」
4、貢献
貢献したいという価値観です。
例:「お世話になった監督・コーチのために勝って貢献したい。」「育ててくれた親に対して恩返ししたい。」
次にイップスに繋がる感情を湧かせる信念の説明をします。
信念=人間のルール(〜すべき。〜ねばならない。)
信念とは、生まれてから生きる上で、親や他人、テレビなどの情報を通じて、学んだルールです。
本人はそのルールが正しいと思っていて、真実だと思い込んでいますが、他者は違った信念を持っている場合があります。
また、この信念は年齢と共に変化していきます。
それでは、イップスに繋がる場合がある13の信念を例をあげながら説明します。
1、自尊心
プライドを持つべき。誇りを持つべき。という信念です。
例:「中学校で全国大会優勝した。だから高校でも優勝すべき。」などがあります。
2、犠牲心
犠牲になるべき。我慢すべき。
例:「監督・コーチ・先輩のいう事をきくべき。」「自分の練習時間を削り指導すべき。」などがあります。
3、警戒心
警戒すべき。警戒しなければならない。
例:「サーブをミスする事への警戒。」「リターンエースへの警戒。」「負ける事への警戒。」などがあります。
4、執着心
執着すべき。こだわりを持つべき。
例:「サービスエースへのこだわり。」「ライン側のサーブへのこだわり。」「ボールの回転へのこだわり。」「かっこいいフォーム・かっこいい打ち方へのこだわり。」「勝つ事へのこだわり。」などがあります。
5、慈悲心
かわいそうだと思うべき。守ってあげるべき。という信念です。
例:他人に対しての場合、「自分が選抜に選ばれる事で、仲の良いテニスの友人の枠がなくなる。」自分に対しての場合、「こんなに練習をたくさんしているのに上達しない自分でかわいそう。」などがあります。
6、復讐心
見返してやりたい。しっぺ返ししてやりたい。許せない。納得いかない。負い目を感じる。という信念です。
例:「この前の試合で負けた。今回こそは絶対に見返してやりたい。」「この前、同じサークルの選手に馬鹿にされた。結果を残して見返してやりたい。」「監督のいう事が許せない、納得いかない。」「もっと結果を残さないといけないのにそれが出来ない自分に負い目を感じている。」などがあります。
7、虚栄心
実物よりもより良く見せるべき。という信念です。
例:「かっこいいところを見せないと。」「良い結果を残さないと。」などがあります。
8、猜疑心
疑うべき。という信念です。
例:他人に対しての場合、「監督やコーチの言っている事を疑うべき。」自分に対しての場合、「自分自身のスキルを疑うべき。」などがあります。
9、団結心
団結すべき。という信念です。
例:「サークル内の輪を大切にすべき。(本当は自分の練習をしたい。)」「監督やコーチと団結すべき。(本当は自分のルール通りにやりたい。)」などがあります。
10、忠誠心・信仰心
大切にすべき。こうでなければならない。こうするべき。という信念です。
例:「一生懸命やるべき。」「公平でなければならない。」「完璧でなければならない。」「常に1番でなければならない。」などがあります。この信念に理想と現実のギャップがあると脳は過敏に反応しイップスに繋がる場合があります。
11、自省心
反省すべき。とうい信念です。
例:「過去の試合に負けてしまった事。」などがあります。
12、羞恥心
恥ずべき。恥ずかしいと思うべきという信念です。
例:「周りの人にうまいと思われているので、ミスしたら恥ずかしい。」「過去に全国大会に出場した経験があるので、負けたら恥ずかしい。」「変なフォームが恥ずかしい。」などがあります。
13、競争心
勝つべき。勝たなければならない。
例:「あの選手には絶対に勝たなければならない。」「ここで勝たないと全国大会へ出場出来ない。」などがあります。
競争心はイップスに繋がりやすい信念です。負ける事に対して過敏に反応する選手が多いです。
実際にサーブのトスイップスを克服した3名の選手の話
では、実際にイップスを克服した3名の選手の例をお伝えします。
ご自身にも当てはまるところがないか確認しながらお読みください。
テニスの球出しイップスとサーブトスイップスを併発したテニス選手の克服例
約10年間イップスに悩む患者様でした。
イップスに繋がる理由として、
- 自分の望む成長度合いの理想と現実のギャップ
- 長い事上手くいってないという経験的記憶
- 競争心
- イップスは球出しが出なくなるとネットを見たという情報的記憶
- イップスを克服する過程で自己成長に繋がるという肯定的意図
- ミスで負けてしまう事が怖いという恐怖
- 高校三年生の時関東大会で負けた時の記憶
- この様なイップスになった自分を哀れむ気持ち、その背景には、大学の時テニスサークルでみんなに馴染めなかった経験
- 狙ったところに精度よくいく様にしたい、その背景には、高校の時関東大会で買った時、精度がとても高かったからという経験
- 勝つことへのプレッシャー、その背景に中学の時、勝つ約束をしたけど負けてしまった経験的記憶
- エースをとることへの執着心、その由来は、大学の時、ジャンプサーブをして気持ち良かった記憶がある。
- フォルトに対する警戒心
- サービスコートに入る様に回転をしっかりかけるという探究心
- 相手がさわることもできない球を売って圧勝したいという執着心
上記が無意識的に脳を緊張させイップスに繋がるスイッチになっていました。
その他に、
過去に小さい頃、両親の仲が悪く、お金関係に問題がありました。その結果、仕事で結果を残して稼がなければならないという信念が強く、テニスをする時間があれば、もっと稼げるのではないか?と無意識的に脳は判断しており、イップスに繋がっていました。
この様に、一般人の方はテニスだけではなく、仕事や家族との関係性もイップスに繋がる場合もある事を知っておくと良いでしょう。
上記の内容を本人が自覚し、脳が安定した事でイップスを克服し、今現在テニスを楽しんでやっています。
トスの時左手がスムーズに動かないテニス選手のイップス克服例
3年程、サーブのトスで左手がスムーズに動かなくなったという患者様の克服例です。
この方のイップスになっている原因は、過去の自分と現在の自分を比べ、劣等という感情が脳内で働き、脳が不安定になりイップスに繋がっていました。
上記の内容を本人が自覚し、脳が安定した事でイップスを克服しました。
過去のトラウマがサーブトスのイップスになっていたテニス選手の克服例
10年ほどイップスに悩む、患者様の克服例です。
イップスに繋がる原因は、
- 上手くなるために、テクニックを追求すべきという探究心。
- テニスのメンバーで気が合わない人がいる事。(利己心)
- 過去、大学の時、試合に中々勝てなかった経験。(自分の理想の成長と現実のギャップ)
これらが、脳を勝手に不安定にし、イップスに繋がっていた事を認識した事で脳が安定し、イップスを克服しました。
イップスとトラウマの違い
トラウマはイップスに繋がる原因となります。
しかし、どんなトラウマも、脳が慣れれば安定しますし、認知を変える、思い込みを変える事でトラウマ自体トラウマでなくなる場合があります。
トラウマがあるから治らないのではなく、どうトラウマを克服するかがとても大切です。
上達し続けるトップアスリートの共通点
私たちは、世界でご活躍されている日本を代表するプロスポーツ選手達を治療しています。
そこで感じるトップアスリートの共通点とは、等身大を受け入れる勇気を持っていることです。
自分の長所、短所、生まれ持ったもの、実績、ランキングなどありのままを受け入れ、それから、目標達成をするために、今何をすべきか逆算して行動をします。
過去の栄光など関係なく、今現在の自分を把握するスキルがとてもある様に思います。
ありのままを受け入れてからがスタートです。
また、自分に出来ない事、苦手な事を克服する方法を教えてくれる、コーチやメンターを側におく事も、ある意味、自分の弱さを認めているからこそできる事だと思います。
テニスが楽しめなくなったその原因と解決方法
基本的に楽しめなくなっている理由は、自分の信念の理想と現実にギャップがあるからです。
技術不足で楽しめないのであれば、技術を磨く事です。
そして、現実的に、無敗というプロは一人もいません。負ける事に過敏になっていては楽しくありません。完璧にしなければならないという信念が楽しめなくしている場合があります。
もちろん、しっかりとやっている選手は負ける事を想定して試合に望んでいる選手はいないと思いますが、しかし、負けてしまって落ち込んで、練習が出来なくなる事で、自分の未来への目標が達成出来なくなる事も知っています。
余計な感情に振り回されずにあくまでも、自分自身の目標に必要な事をする事が大切です。
テニスのパフォーマンスをあげる、脳と体の関係に着目した脳バランス体操
私たちは様々なプロスポーツ選手を診ています。
そこで感じることは、体のバランス(=脳のバランス)が安定している選手が少ないということです。
特にテニスは、左右非対称の動きが多いため、筋肉から脳へフィードバックする情報に左右差が出来やすい傾向があります。
その結果、脳の機能的なバランスが崩れ、脳から筋肉への命令も安定しなくなる傾向があります。
ここでは、テニスのパフォーマンスをさらにあげるために、体の調整をして脳を安定させる脳バランス体操をお伝えします。
筋肉・関節と脳の繋がりの調節
首周辺の検査と調整
首の関節・筋肉をあらゆる方向へストレッチするようにします。そこで、左右差があったり、筋肉の緊張感、痛み、違和感がある方向は異常です。
その異常の状態で2回深呼吸し調整しましょう。
画像を入れますので動かす方向の参考にしてみてください。画像は左右載せていない場合がありますが、左右どちらも行ってください。
腰周辺の検査と調整
体幹(腰部付近)をあらゆる方向へストレッチするようにします。そこで、左右差があったり、筋肉の緊張感、痛み、違和感がある方向は異常です。
その異常の状態で2回深呼吸し調整しましょう。
画像を入れますので動かす方向の参考にしてみてください。画像は左右載せていない場合がありますが、左右どちらも行ってください。
肩周辺の検査と調整
肩関節をあらゆる方向へストレッチするようにします。そこで、左右差があったり、筋肉の緊張感、痛み、違和感がある方向は異常です。
その異常の状態で2回深呼吸し調整しましょう。
画像を入れますので動かす方向の参考にしてみてください。画像は左右載せていない場合がありますが、左右どちらも行ってください。
肘関節の検査と調整
肘関節をあらゆる方向へストレッチするようにします。そこで、左右差があったり、筋肉の緊張感、痛み、違和感がある方向は異常です。
その異常の状態で2回深呼吸し調整しましょう。
画像を入れますので動かす方向の参考にしてみてください。画像は左右載せていない場合がありますが、左右どちらも行ってください。
手首の検査と調整
手首の関節をあらゆる方向へストレッチするようにします。そこで、左右差があったり、筋肉の緊張感、痛み、違和感がある方向は異常です。
その異常の状態で2回深呼吸し調整しましょう。
画像を入れますので動かす方向の参考にしてみてください。画像は左右載せていない場合がありますが、左右どちらも行ってください。
小脳の検査と調整
小脳とは、体のバランスの調整、頭と眼球の位置の調整、運動のプログラミングに関係する脳の部分です。
テニスに限らずスポーツ全般が上手いというのは、この小脳の働きと言っても過言ではありません。
イップスなどでパフォーマンスが低下している場合、この小脳の機能低下が多いですし、単純にこれからテニスのパフォーマンスをあげるためにこの小脳のリハビリをする事がとても大切です。
小脳の検査はわざとフラつきなどをおこす試験をします。一人で行うと転倒し怪我する恐れがありますので、誰かと一緒に行いましょう。
片足立ち
片足で立って目を瞑ります。バランスがとれない場合や、フラつきがあると異常です。10〜20秒リハビリし、その後2回深呼吸し調整しましょう。
画像は右足で行っていますが、左足も検査し異常があれば調整しましょう。
前腕回内回外
足を閉じて起立し、手を前に差し出します。そこで高速でバイバイを行ないます。
両手とも遅い場合や、左右に少しでも差がある場合は異常です。10〜20秒程リハビリした後大きく2回深呼吸し調整しましょう。
マン試験
片方の足のつま先にもう片方の足のかかとをつけて一直線上に立ちます。そこで目を瞑り、ふらついた場合は異常です。10〜20秒程リハビリした後大きく2回深呼吸して調整しましょう。
※画像は左足が前で行っていますが、反対も行ない異常があればリハビリして調整しましょう。
前腕挙上テスト
両足をつけて起立し、目を瞑り勢いよく手を前に差し出します。その時に、体と腕の角度が90度まで到達していなかったり、反対に、オーバーしている場合は異常です。また左右差が均等でない場合も異常です。均等になるまでリハビリしましょう。
脳神経系の検査と調整
脳神経系とは、目玉を動かしたり、舌を動かしたり、首を動かしたり、顔の感覚を感じたりする末梢神経の事を表します。
テニスのパフォーマンスの向上に必要な眼球運動の検査と調整の仕方を説明します。
眼球運動の検査と調節
眼球をあらゆる方向にしっかりと動かします。動かしにくい方向性があった場合異常です。その状態で大きく2回深呼吸し調整してください。
まとめ
いかがでしたか?
まとめると、テニスのトスのイップスはある条件に脳が過敏に反応し、脳から筋肉への命令に異常た生じた状態でした。
条件に反応した時、無意識の感情があり、その感情は価値観や信念の理想と現実のギャップが背景にありました。
また、現在だけでなく、過去の記憶や未来への予想もイップスを引き起こす無意識の感情に関係していました。
イップスを根本的に、そして早期に克服するためには、ご自身の心の構造に向き合う事です。
とても大変な作業ですが、あなたの今後のテニス人生に必要なきっかけであるとも思います。
実際に当院へご相談されている選手達はご自身の心の構造に向き合い克服しています。
未来のために、一歩踏み出す勇気を持って頑張って頂ければ幸いです。
もし、万が一こちらの記事でご自身に向き合ってもイップスを克服出来ない場合は脳と体、心と体の関係性に着目した専門家へご相談される事をおすすめします。
あなたの辛いイップスが改善される事を心から願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事の参考文献
- ジストニア診療ガイドライン2018:日本神経学会
- ジストニアのすべて:梶 龍兒
- 体の不調は脳がつくり、脳が治す:保井志之
- 「こころ」はいかにして生まれるのか最新脳科学で解き明かす「情動」:櫻井武
- コーピングのやさしい教科書:伊藤絵美
- 記憶と情動の脳科学:ジェームズ・L.マッガウ, 久保田 競, 大石 高生
- イップスの科学:田辺規充
- コーチング・クリニック:ベースボール・マガジン社
- イップス:澤宮優
- イップスは治る:飯島智則
- イップスかもしれないと思ったらまず読む本:河野昭典
- 薬に頼らず家庭で治せる発達障害との付き合い方:Dr.ロバート・メリロ
- 心身条件反射療法研究会資料