心と体の整え方。Part1はいかがでしたか?
しっかりと紙に書いてご自身のストレッサー・感情・身体反応・行動・認知を整理出来ましたでしょうか?
また、認知を認識し、緩まった事で、ご自身の感情・身体反応・行動はどう変化しましたか?
そして、行動を変える事によって、ご自身の感情や身体反応はどう変化しましたか?
しっかりとPart1を行った方はある疑問を感じたと思います。
私の認知ってどこで形成したんだろう?っと思いませんでしたか?
Part1ではお伝え出来なかった、認知を作っている核の認知(深い認知)についてこちらのページはお伝えします。
※心と体の整え方。Part1をしっかりやらずにPart2を行わない様にしてください。Part2は過去の辛い体験などを思い出す可能性がございます。Part1を行ってご自身の望む方向性に感情や身体反応、行動が伴っている場合は、無理にPart2を行わないでください。
Part1を行っても、ご自身の望む感情・身体反応・行動が伴わず、つらいという方、一過性の苦しみを乗り越えてでも、改善したい!とお望みの方は是非行ってみてください。
認知を作っている核の認知(深い認知)を認識しよう。
深い認知を認識する際、それだけ望まない感情・身体反応に悩まれているという事が前提になります。
ですので、ここでは、「人生に生きづらさを感じている場合」や「どうしても治らない不調」、「どうしても静まらない感情」などを作ってしまう、深い認知に絞ってお伝えします。
望まない状態を作ってしまう深い認知はどうして形成される?
これは、0歳~25歳くらいまでに、当たり前の欲求が満たされない傷つき体験によって出来上がるとされています。
具体的に5つの当たり前の欲求が満たされない事とされています。
- 他人(家族を含む)に理解してもらいたい。愛してもらいたい。受け止めてもらいたい。(拒絶と断絶)
- 自律性があり、有能な人間になりたい。なんでもこなせる人間になりたい。(自律性と行動の損傷)
- 自分で自分の事をコントロールしたい。(制約の欠如)
- 自分の感情を表に現したい。自分の意志を大切にしたい。(他者への追従)
- 楽しく自由になりたい。自発的に遊びたい。(過剰警戒と抑制)
上記の5つの当たり前の欲求が満たされない経験が、後に望まない感情・身体反応・行動を引き起こしてしまう深い認知が形成される要因だとされています。
上記の当たり前の欲求が満たされない経験をすると心理学(スキーマ療法)では18個の不健康な状態を引き起こす可能性のある認知が形成されるとされています。
あなたの望まない感情や不調を作ってしまう、あなた自身の根底にある下記の18個の深い認知がそれぞれどのくらいご自身に当てはまるのか10段階中(10がすごく当てはまる、0が当てはまらない)評価で紙に書いてみましょう。わかり易くするために、例えでAさんという架空の人物の評価を書いてみます。
当たり前の欲求1が満たされない:拒絶と断絶
他人(家族を含む)に理解してもらえなかった、愛してもらえなかった、私を受け止めてくれなかった。と体験した方は5つのいずれか又はいくつかの深い認知を形成するとされています。
見捨てられ/不安定をもった深い認知
「私は見捨てられる人間だ。」「他人(家族を含める)は私を見捨てる。」という人との関係性で不安定さや、信頼できない感覚を持つ。
見捨てられ/不安定をもった深い認知の人の特徴は、人に見捨てられない様に努力する人もいれば、捨てられる前に捨ててしまえと考える人もいれば、そもそも人と付き合わないという思考になる人もいます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中1
不信/虐待をもった深い認知
「人の事は信用できない。」「他人は私を傷つける。」という思考を形成しています。
不信/虐待をもった認知の人の特徴は、私は貧乏くじを引きやすいと思っており、他人は自分の事を騙そうと企んでいると思っています。だから信じられず、人と仲良くなる事は少ないですが、信用できると思った人には、過剰に期待をしてしまう傾向があるそうです。他にも、相手を信用してないので、監視したり、傷つけられる前に傷つけようと思ってしまい攻撃的になる場合があります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中2
情緒的はく奪をもった深い認知
「他人(家族を含む)は愛してくれない。」「私の事を理解してくれない。」「私の事をわかってくれない。」という思考を形成しています。
情緒的はく奪をもった深い認知の人の特徴は、とても強く、自分の事を理解してほしい、愛してほしいと望んでいます。それを相手に対して求める方もいれば、無理だと思って最初から仲良くなろとしない傾向のある人もいます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中0
欠陥/恥をもった深い認知
「私は欠陥人間だ。」「自分の欠陥がある事に人間として恥じだ。」「自分が他者より劣っている部分が知られると、きっと愛情を失うだろう。」という思考を形成しています。
欠陥/恥をもった深い認知の人の特徴は、他人からの批判や拒絶、非難にとても過敏で、自分の欠点にとても恥じる傾向があります。そのため、嘘をついてでも欠陥を隠したり、物事に完璧を求める傾向があり、それに疲れる人はそもそも、人と関わらない様にしたりします。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中3
社会的孤立/疎外をもった深い認知
「自分は周りの人とは違う。」「自分は変わり者である。」「私は孤独だ。」などの思考を形成しています。
社会的孤立/疎外を持った深い認知の人の特徴は、団体の時でも、ひとりでポツンとしている事が多く、自ら人に声をかけたりすることに抵抗があります。また、一人でできるゲームや趣味に没頭する事も多いです。後は、反対に、そんな孤立を自分で感じる事が嫌で、団体行動に執着し、中心人物になろう!と意欲が高まっている方もいます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中4
当たり前の欲求2が満たされない:自律性と行動の損傷
自律性があり、有能な人間になりたい。なんでもこなせる人間になりたい。という当たり前の欲求が満たされない事によって形成する深い認知は4つあるといわれています。
依存/無能をもった深い認知
「周りの人達が手伝ってくれないと私は何もできない。」「私は無能だ。」「私はやってもできない人だ。」「依存する以外生きていけない。」などの思考を形成しています。
依存/無能をもった深い認知の人の特徴は、自分は無能で依存しなければならないと思い込んでいるので、基本的に何もできない傾向にあります。反対に、そんな自分が嫌だと思っている人は本来、人の手を借りた方が良い場面でも、敢えて借りずに、自分一人で解決しようとする場合があります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中0
損害や疾病に対する脆弱性をもった深い認知
損害や疾病に対して、脆弱である思考を形成しています。「動脈硬化がみつかった。もうすぐ死ぬかもしれない。」「不安が一杯だ。もう不安で死ぬかもしれない。」「台風が来る。家ごと吹っ飛んで死んでしまうかもしれない。」「地球がいきなり無くなってしまうかもしれない。」など。
損害や疾病に対する脆弱性をもった深い認知の人の特徴は、警戒心がとても強く、ビックリしたり、最悪の事を考えすぎたり、後は、変化をとても嫌う傾向にあります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中1
巻き込まれ/未発達の自己をもった深い認知
「誰かに巻き込まれていないと安心できない。」「親がいないと何も決断できない。」「自分の考えがない。」「自分というものがない。」「自分の人生を生きている実感をしない。」などの思考を形成しています。
巻き込まれ/未発達の自己をもった深い認知の人の特徴は、とにかく「自分」というものを持っていなく、親の言う事や、友人が言う事が自分の意見だと思い込んでいて、誰かと一緒にいないと辛いと思ってしまいます。しかし、自分でも気づかない心の奥底には違う意見を持っている場合があるので、その場合は、身体に変調をきたしたりすることがあります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中3
失敗をもった深い認知
自分は、無能な人間であり、不器用であると思い込んでいる。「私に成功できるはずがない。」「私は何をやっても失敗する。」「他者に比べて劣っている。」などの思考を形成しています。
失敗をもった深い認知の人の特徴は、ご自身の事を卑下する言葉を多用し、「私にできない。」と新しい事や今までやったことのない事には挑戦しようとしません。また、できない。とおもっているので、やらなければならない事も先延ばしにする傾向があります。最後まで物事をやり遂げる事が出来ない傾向にある方もこの認知を保有している可能性があります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中4
当たり前の欲求3が満たされない:制約の欠如
「自分で自分をコントロールしたい。」という当たり前の欲求が満たされない事で2種類の深い認知が形成されるとしています。
権利要求/尊大をもった深い認知
「自分は他人より優れている。」「私は他人より特別に扱われるべきだ。」「僕は他人とはレベルが違う。」「私は時に、ルールを破っても良い。」「自分の人生だから自分の好きなように生きる。」「他者よりも優位に立ちたい。」などの思考を形成しています。
権利要求/尊大をもった深い認知の人の特徴は、周りの人たちに特別に扱われる事を好むので、特別に扱われる様に振る舞います。そして、常識を破る傾向があります。他人より優れていると思っているので、自分が1番であり、周りの人を見下し、馬鹿にする傾向があります。褒められる事が大好きで、あまり褒められない環境には行かない選択をします。また、自分の意見が通らない時は、攻撃的になり、クレーマーになる場合があります。しかし、そんな自分を恥じている人もいます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中7
自制と自律の欠如をもった深い認知
「やりたい事はいますぐやりたい。」「楽しくない事はしたくない。」「自分のやり方でやりたい様にやりたい。」「欲しいと思ったら、今すぐ手元にこないと嫌。」「我慢が嫌い。」「計画して行動する事が苦手。」などの思考を形成しています。
自制と自律の欠如をもった深い認知の方の特徴は、自分で自分をコントロールする事がとにかく苦手で、抑える事ができません。本当はやらないといけない事を楽しくないからと後回しにする傾向があります。夏休みの宿題は夏休みの最後に駆け込みでやる方や、宿題を忘れる方は当てはまる可能性があります。他にも、掃除など嫌いな家事を後回しにしてしまい、家の中が散らかっている方も当てはまる可能性があります。また、そんな自分を恥じている人もいます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中8
当たり前の欲求4が満たされない:他者への追従
自分の感情を表に現したい。自分の意志を大切にしたい。という当たり前の欲求が満たされない経験が3つの深い認知の形成に関わるとされています。
服従をもった深い認知
「嫌われたくない。」「見捨てられたくない。」「攻撃されたくない。」と思い、自分の意見や意志を捨てて、相手に服従する思考を形成しています。
服従をもった深い認知の人の特徴としては、とにかく相手の顔色をうかがって、相手が怒らない様に、相手に嫌われない様に、話を合わせ、行動します。ついうっかり、相手をの機嫌を損ねさせてしまった場合、挽回または、反対に知らんぷり(逆ギレ)などと強い反応をしてしまいます。自分より目上にはペコペコし、部下など自分より立場が弱い人へは服従させる傾向もあります。
酷くなると、服従する事に疲れ、病気になったり、ひきこもりなったりします。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中6
自己犠牲をもった深い認知
「自分の事よりも他人(家族を含む)の事を大切にする事は当たり前。」という思考を形成しています。
自己犠牲をもった深い認知を持った人の特徴は、共感能力が高く、相手の喜怒哀楽にとても過敏で、相手のために、何かをしなければならないと思って行動しています。気遣い、気配りができる人はこの認知を保有している可能性があります。相手が招いたネガティブな出来事でも、自分が助ける事が出来なかった。と自分自身を責める傾向もあります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中5
評価と承認の希求をもった深い認知
「人に認められたい。」「人の評価が大事。」「自分の価値は他人からの評価で決まる。」という思考を形成しています。
評価と承認の希求をもった深い認知の人の特徴は、とにかく人に褒められるのが好き。反対に認められないと自分は不必要な人間だと思っています。あらゆる発言、行動が他人に評価されるか?他人に認められるか?を考えています。SNSが流行っていますが、この認知を保有している傾向があるかもしれません。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中8
当たり前の欲求5が満たされない:過剰警戒と抑制
楽しく自由になりたい。自発的に遊びたい。という当たり前の欲求が満たされない経験が4つの深い認知の形成に関わるとされています。
否定/悲観をもった深い認知
「人生は苦痛だ。」「生きてたって楽しい事はない。」「上手くいくはずがない。」「結局ダメになる。」「この病気が治るわけない。」「考え方が変わる事なんてできない。」などの思考がを形成しています。
否定/悲観をもった深い認知の人の特徴は、簡単に言うと、マイナス思考です。何にも否定的、悲観的で、常に悪い方に物事を捉え、心配し、やる気がでません。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中3
感情抑制をもった深い認知
「感情を表に出す事は、恥ずかしい事だ。」「感情を表に出す事で、周りからは非難される。」「感情が爆発したら、自分では制御できなくなる気がする。」などの思考を形成しています。
感情抑制をもった深い認知の人の特徴は、喜怒哀楽があまりなく、冷静な感じの人です。知的で理性的な人にみえる場合もあります。また、自分の感情を上手くコントロールできると自信に満ちている可能性もあります。一線を越えずに、距離を置いた関係を保つ癖があります。感情的な人を見ると、見下したり、幼稚な人間だと思う反面、心の奥底では羨ましがっています。周りの前では知的で理性的に見えますが、一人の時、または本当に信頼できる人との間で刺激的な生活をして調和をとっている人もいます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中2
厳密な基準/過度の批判をもった深い認知
「人はできるだけ努力をしなければならない。」「物事は完璧にこなさなればならない。」「どうせだったら高いレベルまで到達したい。」「満点でないと意味がない。」「目標を達成するまでは休んではならない。」などの思考を形成しています。
厳密な基準/過度の批判をもった深い認知の人の特徴は、他人からの批判を避ける傾向がとても強く、常にプレッシャーを感じ、ゆっくりと生活する事ができません。自分にも、そして他人にも批判的で厳しい傾向があります。完璧主義、とても強い「~べき」思考、短時間で業績を上げる極端な効率主義などがあげられます。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中7
罰をもった深い認知
「悪い事をしたら罰せられるべきだ。」「上手くいかなければ罰を与えるべきだ。(自分も含む。)」などの思考を形成しています。
罰をもった深い認知の人の特徴は、何か問題があった場合、他人やまたは自分の事を「許す。」という事ができず、必ず罰がないと許す事ができません。過去の出来事でも何年、何十年と許す事ができず、中々治らない痛みや不調などを保有する場合があります。自分の事は関係ない事でも、何かあった時に、「いい気味だ。」などという人もこの認知を保有している傾向があります。
あなたの当てはまる度10段階中?
例:Aさん 当てはまる度は10段階中6
望まない不調、感情、人生にしてしまう、深い認知に対する対処法、身体を健康に導く深い認知の探し方。
心と体の整え方。Part3で記事にします。しばらくお待ちください。
まとめ
深い認知を知り、その認知が今までの生きづらさ、お身体の不調、心の問題に関係していた事が感じていただけましたしょうか?
10段階評価にする事で、客観的にご自身を評価する事ができましたでしょうか?
まず、ご自身の深い認知の傾向を認識する事、それが今までの静まらない感情や不調、生きづらさに関わっていたと認識する事が最初のステップです。
もし、ご自身だけでは難しい方は、石井堂グループの施術者と共に二人三脚でお望みの方向へ進めるように、バックアップさせて頂きます。
お気軽にお問い合わせください。
当サイトの執筆・監修者
【執筆・監修】石井 克昇
- ICC認定国際コーチ
- 厚生労働大臣認定柔道整復師免許
- ANJ認定アクティベータメソッド上級認定
- LCA認定PCRTシルバー認定
- 米国SMART Tools認定
- 石井堂クリニカルオフィス代田橋・明大前院 院長
- 石井堂街の接骨院 院長
- 男子サッカー日本代表選手、バレーボール日本代表選手、プロ野球選手、プロゴルファー、歌手、音楽家などのトップアスリート、トップアーティストの施術も行っている。
【執筆・監修】吉住 琢也
- ANJ認定アクティベータメソッド認定
- 厚生労働大臣認定柔道整復師免許
- 石井堂クリニカルオフィス六本木院 院長
- 六本木石井堂整骨院 院長
参考文献
- 「こころ」はいかにして生まれるのか 著書 櫻井武
- ここまでわかった心身相関 著書 久保千春 九州大学病院長
- 認知行動療法ガイド:基礎から応用まで 著書 ジュディス・S・ベック
- スキーマ療法 著書 ジェフリーE・ヤング ジャネット・S・クロスコ マジョリエ・E・ウェイシャー