「坐骨神経痛 原因 ストレス」と検索されたあなた。
病院や治療院で坐骨神経痛と診断されたり、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による坐骨神経痛と診断されませんでしたか?
坐骨神経痛の本質的な原因はストレスです。もう少し詳しく説明すると、ストレスに対して、脳が過敏に反応する事が根本的原因です。
坐骨神経痛の原因がストレスに関係する理由を、医学本や医学文献を参考にし、また、当院に来院する坐骨神経痛の患者様の内容を交えながら記事にします。
そして、ストレスが関係する坐骨神経痛にお悩みのあなたへ、ご自身で出来る範囲の坐骨神経痛の治し方を記事にします。
坐骨神経痛とは。
坐骨神経痛とは、坐骨神経とういうお尻から足にかけて伸びている神経のライン上が痛む場合につけられた名前です。
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症・すべり症で坐骨神経痛は起こらない理由。
病院では、「腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経ですね。」「脊柱管狭窄症・すべり症・分離症による坐骨神経痛」「梨状筋症候群による坐骨神経痛」「骨盤のゆがみによる坐骨神経痛」ですね。と言われる方が多い様に見受けられます。
しかしこれは、一昔前の一般的な医学情報です。
今では、この一般的医学情報が疑われています。そして常識が変わりつつあります。
椎間板ヘルニアが坐骨神経痛に関係ない理由
1995年、国際腰痛学会のボルボ賞を受賞した研究結果に、今現在椎間板ヘルニアと診断されたグループと、健常者(全く症状がない人)グループに分け、MRIで腰部椎間板を撮影しました。
結果は、椎間板ヘルニアと診断されたグループと全く同様、健常者(全く症状がない人)にも椎間板ヘルニアが見つかりました。
腰痛や坐骨神経痛など全く症状がない人にレントゲンやMRIを撮影しても、76%の方に椎間板ヘルニアが見つかります。
全国民の4人に3人は椎間板に何らかの異常があるのです。
よって、椎間板ヘルニアが坐骨神経痛に関与すると仮説した場合、全国民の4人に3人は坐骨神経痛である!という事になってしまいます。そんな訳ないですよね?
また、もし、神経が何らか刺激によっての圧迫を受けた場合、どうなるかご存知でしょうか?
アメリカのジョン・E・サーノ医師はこの様に述べています。
「神経が圧迫されつづけて起きるのは麻痺のほうだ。それなら、ヘルニアには持続性の痛みを引き起こさせるはずがない。」とヒーリングバックペイン(J・E・サーノ著)という本で断言しています。
これは、日本の医師も研究しており、神経が圧迫されて痛みが出るのは、最初の圧迫された時のみであり、持続的に圧迫される場合は、痛みはすぐに消失し、麻痺が起こる。と発表しています。
上記の事から、椎間板ヘルニアが坐骨神経痛などの痛みを持続的に誘発する事はない!と断言できます。
※麻痺とは、力が入らない、動かない事を表します。「しびれ」とは違います。尿を止めたくても止まらずにお漏らししてしまうなどは麻痺です。
脊柱管狭窄症が坐骨神経痛に関係ない理由
脊柱管狭窄症は、中高年、高齢者になると診断される病名で有名ですが、上記のヘルニアでもお伝えした通り、変形によって、神経が圧迫されて、痛みが起こるという事は初期のみであり、慢性化する事はありません。神経が本当に圧迫されている場合、必ず麻痺が起こります。
当院で脊柱管狭窄症と診断され、施術に来院される方の殆どが保存療法で完治し、その後レントゲンやMRIで撮影しても、脊柱管狭窄症は治っていません。
この事を踏まえると、脊柱管狭窄症だから坐骨神経痛など痛みが起こる!というのはありえません。上記で説明した椎間板ヘルニア同様、坐骨神経痛や腰痛がない人をMRIやレントゲンで腰椎を撮影すると、脊柱管狭窄症の方が沢山います。
神経外科医H・L・ロゾモフは脊柱管狭窄症の手術を沢山してきましたが、後に、手術以外の方法で治療できると報告しています。
またJ・E・サーノ医師も脊柱管狭窄症の患者を沢山診ているが、手術が必要だった例は1例のみであり、殆どが手術不要と述べています。
腰椎すべり症・分離症・変形が坐骨神経痛に関係ない理由
アメリカのフレンロフとウィリアムズの二人の研究をでは、腰痛患者グループと健常者グループにわけレントゲン撮影し、脊椎すべり症・腰仙移行椎・二分脊椎・椎間狭小・変形性脊椎症・脊柱側弯症・腰椎前湾過剰(反り腰)・腰椎後湾(猫背)・骨粗しょう症・椎体圧迫骨折・骨盤傾斜などの割合をグループで出してみると、結果は、腰痛患者グループも健常者グループも殆ど一緒でした。
むしろ、すべり症や脊椎狭小、変形性脊椎症、脊柱側弯症、反り腰、骨粗しょう症、圧迫骨折の割合は健常者グループのレントゲン撮影結果の方が腰痛患者グループより多かったのです。
以上の事から、腰椎すべり症や分離症、腰椎の変形が痛みに関係ないことがわかります。
骨盤や背骨のゆがみが坐骨神経痛に関係ない理由
最近は、整体院や整骨院が、鍼灸院、カイロプラクティック院などの代替医療が普及しています。沢山良い点がございますが、一部で根拠のない情報や、一昔前の情報を発信している治療院がある様です。
それは、「背骨や骨盤のズレ」が痛みやあなたの症状の原因である!という情報です。
まず、背骨のスペシャリストであるD.Cすなわちドクター・オブ・カイロプラクティックの団体が、過去にサブラクゼーション「背骨や骨盤のズレ」が原因であるという事は誤りであったと報告しています。
しかしながら、日本では、未だに「ズレ」論が出回っています。
また、アメリカのリヴァンジーは、腰痛患者144人と、健常者138人の骨盤の歪みを厳密に測定し、症状との関係性を調べましたが、骨盤の非対称性と痛みの関係性は全く関係していないと発表しました。
皆さまのお顔も右と左では少し形や大きさは違います。非対称性が普通であり、対称性は稀なのです。骨盤も背骨も右と左が非対称性の方が殆どです。その骨盤・背骨の左右差が痛みに関係する事はございません。
ストレスから坐骨神経痛になるまでの流れ。
坐骨神経痛になるのは基本的に、「筋肉の緊張」「筋肉の緊張による酸素欠乏」です。そして患者様によりますが、その後、「痛みに脳が過敏になって記憶(=クセ{慢性})する。」というパターンが形成されるようです。
「筋肉の緊張」「筋肉の緊張による酸素欠乏」によって坐骨神経痛になっている場合、筋肉が緩めば治ります。
「痛みに脳が過敏になって記憶してしまっている。」場合は「記憶の書き換え」が必要になります。
そこで、大切な事は、筋肉がなぜ?緊張するのか?です。そこに根本的原因が隠されています。
ここで本題である、「ストレス」の登場です。
ストレスの分類
ストレスといっても、いくつかに分類されます。
精神的ストレス
対人関係、先行き不安、過去の出来事など
環境的ストレス
環境アレルギー、環境汚染、騒音、高温、寒冷など
生物的ストレス
病原菌、ウイルス、動物、虫類
肉体的ストレス
外傷、同じ姿勢、長時間労働、単純作業
栄養的ストレス
食品アレルギー、栄養不足、飲食物の偏り、加工食品
ストレスは何に影響するのか?
上記ストレスはどこで処理するのでしょうか?
それは、脳です。
脳で処理される際、脳が過敏に反応してしまうと、脳に緊張が生まれます。
脳に緊張が生まれると、どうなるの?
脳(神経の王様)が緊張すると、末梢神経(脳の家来)にも緊張パターンが波及します。
末梢神経が緊張パターンになるとどうなるでしょうか?
答えは、末梢神経がコントロールする筋肉や内臓が緊張パターンになります。
わかり易く説明します!
いきなり「わっ!!!」と驚かされたとしましょう!
「わっ!!!」という音や目に入る情報がストレスです。
すると、脳が過敏に反応してしまい、緊張パターンになります。すると、末梢神経にも緊張パターンが波及し、末梢神経が支配する筋肉に緊張が生まれます。
現象として、身体が「びく!」と動いたり、倒れてしまって、足がすくむかもしれません。あまりの恐怖に足に力が入らず、立てなくなるかもしれません。心臓がバクバクしたり、冷や汗がでたり、涙が出たり様々な現象が起きます。
これは、先程説明した通り、脳→末梢神経→筋肉や内臓の関係性を意味しています。
そしてこの脳は外的要因、上記で説明した、様々な種類のストレスによって、緊張パターンになったり、リラックスパターンになったりします。
以上の事から、筋肉が硬くなる現象は、脳がストレスによって過敏に反応した。という事がおわかりいただけたでしょうか?
もう一つ大切な事は、上記で説明したストレスは日常的に複合的に絡み合っている事です。もし、重たい荷物を持ち上げる事だけが腰痛の原因だとすると、世の中の肉体労働者は腰痛になってしまいますが、現実は違います。腰痛患者が一番多い職業者は無職の方です。そして肉体労働者よりも、販売や営業の職業の人の方が腰痛患者が多いのが現実です。
上記のストレス一つが原因という事ではなく、複雑に絡み合い、最終的に脳を通じて痛みが発生していると考える事が大切です。
ストレスと座骨神経痛の痛みに関係が見つかった医学文献
上記の椎間板ヘルニアの説明の際の1995年、国際腰痛学会のボルボ賞を受賞した研究結果の事ですが、もう一つの発表がありました。
それは、椎間板ヘルニアが痛みの原因ではないとわかったのですが、では一体何が痛みがある人と、ない人の差なのか研究したのです。
その結果、患者と健常者の差は、職業上の問題(心理ストレス、満足度、失業など)または、心理社会的問題(不安、抑うつ、欲求不満、夫婦問題)などが、患者にはあり、健常者にはない事が判明しました。
坐骨神経痛の原因で多いストレスって何?
当院に受診された患者様の統計をとると、
女性の場合
夫婦間のトラブル、仕事の人間関係、親子関係によるストレスが最終的に筋肉の緊張に波及し、坐骨神経痛に繋がるケースが多い様です。
男性の場合
仕事の業績など、仕事の内容に対する事、仕事の人間関係、夫婦関係、親子関係によるストレスが脳を介して最終的に筋肉の緊張に波及し、坐骨神経痛に繋がるケースが多い様です。
自分でできる、坐骨神経痛の具体的な治し方。
自分でできる治し方のステップには3つあります。
1.間違った情報(治らない情報)が治らなくしている事を認識する。
2.坐骨神経痛が発生する、心理的なストレスを把握し、自分のパターンを把握する。
3.上の2.の内容に良し悪しの判断を入れず、自分の癖だと認識し、受け入れる。
それぞれを詳しく説明します。
間違った情報(治らない情報)が治らなくしている事を認識する。
なかなか坐骨神経痛が治らない場合、無意識的に脳が治らない情報を信じ込み、学習記憶している可能性があります。
ご自身にこの様に質問してみてください。「なぜ、私は坐骨神経痛が治らないの?」
そうすると、この様な回答が得られる可能性があります。
- だって、ずっと続いているから。
- 年取ったから。
- 病院の先生に治りにくいと言われたから。
- 椎間板ヘルニアって診断されて、レントゲン写真見たから。
- 脊柱管狭窄症って診断されてレントゲン写真見たから。
- インターネットと同じ様な症状を訴えている人が治ってないから。
- 本で治らないという情報を見たから。
これは、全て、こういう理由で自分は治らないという脳の記憶です。脳がその様に記憶すると、私の腰、おしり付近は「おかしい!」「もろい!」「悪い!」と判断していき、無意識的に腰や臀部をかばうため、筋肉の緊張を高める様に脳は絶えず命令を出す様に学習していきます。結果、坐骨神経痛が中々治らないという現象が起きます。
あなたの治らないという脳の記憶が、あなたの今の症状を治さなくしているとも言えます。
あなたは、なぜ、ご自身の坐骨神経痛が治らないと思っているのですか?是非、紙に書いてみてください。そしてその情報が治る力を制限している事を受け入れてください。
坐骨神経痛が発生する、心理的なストレスを把握し、自分のパターンを把握する。
日々の日常生活の生活習慣を紙に書いてみる。
24時間枠で起床から睡眠までの間のご自身の行動などを全て書きます。
できれば、その時その時の気分(感情)状態や痛みのスケール、そして誰といるのか?など回りの人間関係もしっかりと書くと良いでしょう。
どこに問題点があるか?考えてみる。
上記の日常生活の紙を見ると、
- いつも夫が家にいる時間に痛みが強くなる。
- 仕事中にいつも痛みが強く出ている。
- 営業で外回りの前に痛みが強く出ている。
- 朝よりも夜の方が痛みが強く出ている。
- 子供と言い合いをした後に痛みが強く出ている。
- 親と喧嘩した後に痛みが強く出ている。
- 習い事に行く前に痛みが出ている。
- 台所で痛みが強く出ている。
- 友人と遊びに行こうとすると痛みが強く出ている。
- 外に歩きに行こうとすると痛みが出てくる。
- 寝てれば痛くないのに、起きると痛い。
など痛みがずっと同じではなく、偏りがありませんか?何か根本的な原因が隠れていそうな時間帯や人間関係を見つけてみてください。
その他、日常生活の見直しも大切です。
- 睡眠はしっかりととっているのか?
- 食事や栄養はしっかりととっているか?
- 運動不足はないか?
その問題点が痛みに関係している事を受け入れる。
問題点として多いのが、潜在的(無意識的)に隠れている理想と現実のギャップが脳を過敏にさせ、筋肉を緊張させ坐骨神経痛がでています。
例えば、
- もっと安心・安定したいのに、現実は違う。
- 自分がもっと子供のためにしっかり育てたいのに、理想と現実が違う。
- 夫婦間で理想の愛され方、つながりが現実が違う。
- 夫にもっとこうしてほしいという理想と現実が違う。
- もっと会社で業績をあげたい(理想)のに現実が違う。
- もっと妻として、会社員として成長したいのに、現実が上手くいかない。
- 自分の存在意義、承認欲求が理想と現実で違う。
- もっと、子供や配偶者、両親などに貢献したいのにできていない。
などが挙げられます。
まず、日常生活の生活習慣を記入した紙を元に、理想と現実にギャップがあるところを探してみてください。
そしてその、ギャップがある時のご自身の気分を書いてみてください。落ち込んでいる、頑張ろうとしている。不安になっている。恐怖を感じている。などです。
その気分(感情)と痛み(坐骨神経痛)が関係するパターン(クセ)が隠れているはずです。
そのパターン(クセ)をご自身が認識していくことによって、ストレスに慣れていきます。
そのストレスに慣れていくことによって、坐骨神経痛は改善していきます。
※ポイントは、頑張ろうとしている!や喜んでいる!などのポジティブな気分(感情)の時も痛みが関係するパターン(クセ)を持っている方がとても多い事です。ネガティブ・ポジティブどちらの気分が自分の坐骨神経痛に関係しているかの特定してみてください。
ご自身のパターンに良し悪しの判断を入れず、自分の性格の癖だと認識し、受け入れる。
上記で、ご自身のパターンを受け入れる際に、「私って酷い人間だわ。」「私って、悪い人間だわ。」「私ってなにもできない人間だわ。」「私って価値のない人間だわ。」と判断が入り、その判断によって、脳がさらに緊張するパターンを持っている人がいます。
判断を入れずに、それが、今の自分の坐骨神経痛に関わりがあるんだと思い、受け入れるだけで良いのです。良い、悪い、はありません。
最後に
いかがでしたか?坐骨神経痛の本質的な原因はストレスだった!という事はおわかりいただけたでしょうか?
私たちは日々の臨床で坐骨神経痛の患者様に対して肉体の調整で治る患者様と、メンタル面の調整を行わないと治らない患者様がいる事実を知っています。
ストレスが一過性で持続的でない場合、症状は時間と共に改善していきますが、ストレスが持続的に続いている場合や、痛みの記憶が強い患者様はメンタル面の調整や記憶の書き換えが必要になります。
もし、こちらの記事を読み、坐骨神経痛の本質を理解し、上記で説明した自分でできる坐骨神経痛の治し方を行っても改善しない場合は、「身体とストレスと記憶」の関係性などを理解したプロにお任せすることが良いでしょう。
この記事の参考文献
- 「腰痛」は終わる! 長谷川淳史著
- ヒーリング・バックペイン ジョン・J・サーノ著
- 心はなぜ腰痛を選ぶのか J・E・サーノ著