「ジストニア 治る」と検索されたあなた。
『ジストニアの原因は?』『ジストニアを克服した人の例を知りたい!』またジストニアを克服したい!
あなたは今、そうお考えではありませんか?
そんなあなたの為にこの記事を書きました。
この記事を読めば一般の方でもジストニアの原因や克服した人の例、ジストニアを克服する為の自宅での自己療法を医学本や医学文献を参考にし、また、当院に来院するジストニアの患者様の内容を交えながら記事にします。
ジストニアの事を深く理解して、心身共に健康な身体を手に入れる為に、この記事がお役に立てば幸いです。
ジストニアとは?
ジストニアとはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、軽症を入れると全国で約数万人以上にも及ぶとも言われています。
ジストニアの本態は筋肉の異常運動です。
筋肉は脳からの命令で動いていますが、脳が正常に働かないと筋肉の異常運動が起こります。結果として、反復する運動、ねじれを伴う運動、持続する姿勢異常、体のふるえ、開瞼困難、声のとぎれ、又軽症として頭痛、肩こり、腰痛等が起こります。
脳卒中や脳炎などの既往歴が無いにもかかわらず、ジストニアの症状が出ている場合は原因不明な為対症的に薬や注射、手術を行うしか方法が無いのが現状です。しかし石井堂グループでは脳の構造に着目するのでは無く、脳の機能に着目しました。なぜ筋肉の異常運動が出てしまうのか、それは脳が刺激(ストレス)によって異常な命令をしてしまうからです。
なぜジストニアは克服するのが難しいのか?
ジストニアの多くは原因不明と言われています。治療法方としては主に異常運動をしている筋肉に対しての治療や異常な命令を出している脳に対する治療になります。またジストニアを発症してから長期間たっているものに対しては有効性は低いと言われています。
構造的に原因不明の場合が多い為、完治するのが難しいと言われています。
ジストニアの本当の原因は構造ではなく機能にあります。機能が異常な状態になっているため筋肉の異常運動が起こりジストニアの症状が出現します。ジストニアの原因についてさらに詳しく知りたい方はこちらのページよりお読み下さい。ジストニアは原因不明?脳科学からみるジストニアの本当の原因とは?
構造と機能の違いとは?
構造とは
骨が折れている、筋肉が断裂している、内臓が損傷している、脳が委縮している等、レントゲンやMRI、CT検査などで異常が見つかるものをいいます。ジストニアの多くは筋肉の持続のやや長い収縮(筋肉の異常運動)は確認出来てもそれがなぜ起こってしまうのかは構造的には原因は分っていません。
機能とは
体の各器官が正しく使われているか、いないのかに着目しています。例えば脳の構造は異常が無くても正しく使えていなければ身体には何らかの異常が出てきます。ジストニアの場合、機能が低下している事が多くあります。機能の低下があるのか自宅でも検査・調整ができるのでやってみて下さい。
自宅で出来る機能検査・調整
小脳検査・調整
小脳とは主に目的の運動をする為にはどの筋肉をどの順番で動かせばよいかというような実行指令を作成し、その指令が正しく行われたかフィードバックし補正をする役割があります。小脳のどちらか一方が機能低下を起こすと脳内のバランスが崩れ、異常命令を起こす刺激となります。
自宅でも小脳の検査とリハビリが出来るので下記を参考にやってみて下さい。
ロンベルグ徴候
両足を揃えてつま先を閉じて立ち、身体が安定しているか確認します。安定していたら次に目を閉じて身体の動揺がないか確認します。この際に身体がふらふらと動揺してしまったら小脳の機能低下が疑われます。
※このテストではふらついた際に周りに物があると大変危険ですので、一人でやらないように注意してください。
片足立ち
目を閉じた状態で片足立ちをし10秒以上なら正常です。5秒以下なら小脳の機能低下が疑われます。
※このテストではふらついた際に周りに物があると大変危険ですので、一人でやらないように注意してください。
両腕前方挙上
立った状態で目を閉じ、両腕を前方に床と水平になるように挙上します。この際に腕の高さに左右差があれば小脳の機能低下が疑われます。
ピアノムーブメント
両腕を前に出してピアニストのように親指から小指にかけて順番に指をなめらかに動かします。この際に両手の指がなめらかに動かないもしくは左右差が出る場合は小脳の機能低下が疑われます。
手の回内回外検査
両腕を前に出して手を回内回外(バイバイする動作)します。この際にどちらかの手が遅れたり、動かしづらかった場合には小脳の機能低下が疑われます。
小脳は繰り返し使えば機能は回復していきます。出来なかった項目を反復してトレーニングする事で出来なかった項目が出来るようになり小脳の機能が正常に戻ります。ただし反復してトレーニングしても変化が無い、または余計に出来なくなる場合は脳の休息が必要なお知らせです。その場合は無理をせずに休む事が重要となります。
脳神経検査・調整
舌下神経
発声障害などのジストニアの方に多いのが舌下神経の機能異常です。ベロを突き出した時にこわばりを感じたり、鏡で見たときに、右や左にベロが曲がっている場合は機能低下を表します。
調整方法:5秒間ベロを出した後、深呼吸を2回繰り返します。
顔面神経
まぶたにジストニア症状が出現している場合に多いのが顔面神経の機能異常です。お顔の右半分をしかめる、そして左半分をしかめる。この時にしかめずらい方や動きにくい方が機能低下を表しています。
調整方法:5秒間しかめずらい方をしかめた後、深呼吸を2回繰り返します。
舌咽・迷走神経
発声障害などの口元、喉元にジストニアの方に多いのが舌咽・迷走神経の機能異常です。つばを飲み込もうとしたときに、ひっかりを感じたり、飲み込みにくさを感じる場合、機能低下を表しています。
調整法は、つばを三回飲み込んだ後、深呼吸を2回行います。
筋肉を硬くする神経、柔らかくする神経の検査・調整
脳から筋肉を硬くしたり柔らかくする神経が出ていますが、これに異常が起きていると、筋肉が硬くなりすぎていたり、柔らかくなりすぎていたりします。異常が起きている神経を正常に戻すやり方をお伝えするので下記を参考にやってみて下さい。
痙性斜頸(首のジストニア)
前屈
後屈
側屈(写真は右側屈ですが、反対も行い、左右差を比較してみてください。)
回旋(写真は右回旋ですが、反対も行い、左右差を比較してみてください。)
上記の動きをして、動きずらい動作で機能低下を表しています。
調整法は5秒間動かしずらい動作をして、深呼吸を2回行います。
股関節周辺のジストニア
外転
内転
外旋
内旋
上記の動きをして、動きずらい動作で機能低下を表しています。
調整法は5秒間動かしずらい動作をして、深呼吸を2回行います。
手首周辺のジストニア
屈曲
伸展
撓屈
尺屈
上記の動きをして、動きずらい動作で機能低下を表しています。
調整法は5秒間動かしずらい動作をして、深呼吸を2回行います。
肘周辺のジストニア
屈曲
伸展
回内
回外
上記の動きをして、動きずらい動作で機能低下を表しています。
調整法は5秒間動かしずらい動作をして、深呼吸を2回行います。
ふくらはぎ、足首周辺のジストニア
底屈
背屈
回内
回外
上記の動きをして、動きずらい動作で機能低下を表しています。
調整法は5秒間動かしずらい動作をして、深呼吸を2回行います。
口周りのジストニア
【あ、い、う、え、お】の口の動きをして、動きずらい動作で機能低下を表しています。調整法は5秒間動かしずらい動作をして、深呼吸を2回行います。
脳とストレスの関係性
ジストニアはストレスと深い関係性があります。ではなぜストレスを受けるとジストニアになるのでしょうか?そこには脳の大脳基底核という器官が関係しています。
大脳基底核とは?
大脳基底核とは身体の調整や情動(嬉しい、楽しい、悲しい、怒り‥)を司ります。感情、姿勢維持、身体の各動作、内臓器の調整の際に重要な器官となります。主に大脳基底核が様々なストレスによって機能低下する事によりジストニアの症状が現れます。ストレスと言うのは精神的な事だけではなく、身体の機能低下や外傷などもストレスとなります。
例えば緊張したら上手く歩けなくなる、上司に怒られたら腹痛が起こるなども、脳の機能低下により生じます。
実際に自宅でストレスに適応する為にはどうすればいいのか?次の項目をお読み下さい。
ストレスに適応しジストニアを克服する為のマインドとは?
前述したようにジストニアはストレスと密な関係があります。言い方を変えればストレスに適応出来ればジストニアを克服する事が出来ます。
ストレスに適応する為に大切な事は、ストレスから逃げない事です。人間は誰しもストレスを遠ざけようとします。しかし現代社会で生きていればストレスを完全になくすことは不可能です。
ではどうすればいいのか?
答えはストレスを感じている時の自分の感情を認識し、その感情がなぜ起きたのか背景を考え理解する事です。
感情とは自分のこれまでの経験から生まれたルールや自分が求めている欲求から生じます。
例えば職場で上司に対して『毎日怒られてすごく不快だ』と感じている場合、自分のルールで『自分は今まで周りの人から認められてきたから、これからも認められ続けなければならない』または自分の欲求で『私は周りの人からの存在感を満たしたい、しかし上司に怒られている私は誰からも必要とされていないんだ』という様に、感情には必ず背景があります。大切な事は自分のルールや欲求を知り、その事でストレスとして感じているんだ。と客観的に自分を理解する事です。客観的に自分を理解する事で脳はストレスに対して適応する事が出来ます。
実際にジストニアを克服できた例をご覧下さい。
ジストニアを克服した症例
左薬指が勝手に動いてしまう
当院での治療として関節と筋肉と脳の繋がりを整え、脳への刺激になっているストレスを検査した所、人を警戒するべきという自分の中でのルールから、職場の人と会話をしているだけで嫌悪感がありました。その反面、周りの人と繋がりが欲しいとの欲求があり、そのギャップが脳への刺激となり、脳の異常命令が起こり、筋肉の異常運動が起こっていることがわかりました。そのストレスと症状の関係性を認識し調整した結果ジストニアを改善する事が出来ました。
痙性斜頸(首のジストニア)
当院での治療として関節と筋肉と脳の繋がりを整え、脳への刺激になっているストレスを検査した所、自分が自立し子供を育てる事に対して義務感がありました。そこには母子家庭の子供は道を外れやすいという世間一般情報が関係していました。ほかに経済的に安定して子供を助けてあげる事を求めているが達成出来ていない事が脳への刺激となり、脳の異常命令が起こり、筋肉の異常運動が起こっていることがわかりました。そのストレスと症状の関係性を認識し調整した結果ジストニアを改善する事が出来ました。
治すためには?
身体の各器官が機能低下する原因は肉体内外の様々なストレスです。ストレスに適応できない事で脳は暴走し脳を含めた身体の各器官の機能低下が起こります。大切な事はストレスを遠ざけるのではなく、ストレスに適応する事です。当院へ来院している患者様もストレスに正しく適応できることで克服しています。
まとめ
いかがでしたか?ジストニアの原因の本質は、脳(大脳基底核)がストレスにより機能低下を起こし筋肉が異常運動を起こした結果です。
そして一度経験したジストニアの症状を脳が記憶してしまい、慢性化する方もいます。
自宅でのジストニアの克服方法は
- どの機能が低下しているのか検査し調整する。
- ストレスを自覚し、自分の感情やルール、欲求を客観的に理解する。
自宅でできる治し方を実践し、それでも改善しない場合は、「痛み・神経・ストレス・記憶」などの関係性に着目したプロに相談しましょう。
この記事の参考文献
- ジストニア診療ガイドライン2018:日本神経学会
- ジストニアのすべて:梶 龍兒
- 体の不調は脳がつくり、脳が治す:保井志之
- 「こころ」はいかにして生まれるのか最新脳科学で解き明かす「情動」:櫻井武
- コーピングのやさしい教科書:伊藤絵美
- 記憶と情動の脳科学:ジェームズ・L.マッガウ, 久保田 競, 大石 高生